スペースフレーム構造を採用することで、新しいThinkPad X1シリーズはメンテナンス性が大きく改善した。
筆者は1990年代から2000年代にかけて、ThinkPadをかなりヘビーに使っていた。使い方が使い方だけに、故障や部品の脱落はしょっちゅうあったのだが、ThinkPadの素早い修理サポートや部品入手の容易さにはかなり助けられた記憶がある。こうしたメンテナンス性の高さは、ThinkPadの大きな特徴の1つであった。
一方で、近年のスリム化への要望やトレンドの変化の中で、その特徴であるメンテナンス性が損なわれてしまった面もある。特にThinkPad X1シリーズは「CRU(Customer Replaceable Units)」と呼ばれるユーザー交換可能な部品が他のThinkPadと比べると少なく、他のThinkPadなら部品を取り寄せ自分で交換できるところ、X1シリーズだと修理拠点に送るか、オンサイト修理を依頼しなければならなかった。
だが今回、塚本氏が「ThinkPadの真髄に戻った」とコメントしているように、新しいThinkPad X1シリーズでは、メンテナンス性が大きく向上している。
例えば先述の「他のThinkPadなら自分で交換できるのに……」というパーツの象徴だったキーボードユニットの交換を簡単に行えるようになった。これはスペースフレーム構造によって、ボディーが底面カバーとキーボードユニットによる「サンドイッチ構造」となったことが大きく貢献している。底面カバーとキーボードユニットはネジを数本外すだけで着脱可能で、バッテリーやキーボードを容易に交換できる。
またキーボードについては、従来は1つのキーが破損すると全体を交換しなければならなかったが、新しいThinkPad X1シリーズではツールを使うことで特定のキーキャップのみ交換できる設計とした。
ThinkPadのキーボードは複数のサプライヤー(メーカー)から供給されているが、塚本氏によるとサプライヤーごとに異なっていたキートップ下のパンタグラフやスイッチの構造を、今回はLenovo独自のキー構造を全サプライヤーに採用してもらって共通化し、サプライヤーを問わず同じキートップを使えるようになったことで、キー単位での交換を実現したという。
キー単位での交換は、特に日本で要望が多かった仕組みだという。修理コストの削減と廃棄物の抑制というサステナビリティーの観点からもメリットがあり、新たな特徴としてアピールしている。
なお、交換可能なのはキーボードやバッテリーのみならず、着脱の繰り返しで壊れやすいUSB Type-Cポートを始めとするI/Oポート群もその対象であり、ボディーへの再生素材の活用と合わせ、製品を長く大事に使いたいというニーズに応えている。
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