これからは3090 Tiよりもこれ! 良コスパGPU「GeForce RTX 4070 Ti」の実力をチェック!(1/3 ページ)

» 2023年01月04日 23時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 NVIDIAが1月3日(米国太平洋時間)、新型GPU「GeForce RTX 4070 Ti」を発表した。元々は「GeForce RTX 4080」の12GBモデルとして発売される予定だったもので、米国では当初よりも100ドル安価な799ドル(約10万5000円)から搭載グラフィックスカードを購入できるという。日本語公式サイトの情報によると、日本では14万9800円(税込み)から購入できるようだ。

 スペックこそ、先行して登場したハイエンドモデル「GeForce RTX 4090」や「GeForce RTX 4080」よりも低い。しかし、NVIDIAによると「GeForce RTX 3090 Ti」と比較して165W少ない消費電力で平均1.8倍のパフォーマンスを発揮できるという。それが本当であれば、安くはないものの価格の割に処理効率の高いGPUであることは間違いない。魅力的な選択肢となりそうである。

 1月5日の発売に先駆けて、ZOTAC(ゾタック)製グラフィックスカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC」を通してGeForce RTX 4070 Tiの“実力”を確かめてみよう。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC

GeForce RTX 4070 TiってどんなGPU?

 GeForce RTX 4070 Tiは、先述の通りGeForce RTX 4080の12GBモデルとして発売されるはずだったGPUである。主なスペックは以下の通りだ。

  • GPUコアアーキテクチャ:Ada Lovelace
  • CUDAコア:7680基
  • 稼働クロック:2.31GHz〜2.61GHz
  • グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6X/192bit)
  • 外部映像出力:HDMI×1+DisplayPort×3
  • 消費電力:285W(GPU補助電源:8ピン×2相当)

 先行発売された上位GPUと比べると、何より消費電力が低いことに目が行く。システム電力要件(推奨電源容量)は700Wと、やはり上位GPUよりも控え目である。

GPU-Z 「GPU-Z」で表示したZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OCの情報
ベンチ結果 NVIDIAの公表したテスト結果によると、GeForce RTX 4070 Tiは「平均で約1.8倍」のゲーミングパフォーマンスを持つという。「サイバーパンク 2077に至っては、かなりの性能の伸びがありそうだ

4080/4090よりも少しコンパクト

 先に登場したGeForce RTX 4090/4080では、メーカー設計のグラフィックスカード「Founders Edition」が用意されていた。両GPUのFounders Editionは、共に3スロット厚のフルサイズカードで、搭載する際にスペース面や強度面での検討が欠かせない。メーカー設計のグラフィックスカードも、この点において変わりはない。

 一方で、GeForce RTX 4070 TiにはFounders Editionは存在しない。基本的に、Founders Editionが用意されるのは下2桁が「80」以上のGPUに限られるので、4070 Tiの“リネーム”は、ある意味で正解だったのかもしれない。

 今回レビューするZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OCもフルサイズカードではあるのだが、全長が約306.8mmmと、GeForce RTX 4090/4080を搭載するハイエンドカードよりも短くなっている。また、カードの厚みも2.5スロット分に抑えられているので、寸法や空間的余裕の確認は必要だが、やろうと思えばMini-ITXケースにも組み込める

2.5スロット ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OCの厚みは2.5スロット分と、GeForce RTX 4090/4080搭載カードと比べると薄い。わずかな差だが、これによりMini-ITXケースに何とか組み込めるようになった(他のGeForce RTX 4070 Ti搭載カードも、厚みはおおむね同じ程度)

 GPU補助電源ピンは、GeForce RTX 4090/4080搭載カードと同様に新しい「12VHPWR規格」のものを採用している。GeForce RTX 4070 Tiの消費電力的には従来の「8ピン×2」相当なのだが、今回レビューするカードには「8ピン×3」の変換アダプターが付属していた。このカードはOC(オーバークロック)に対応しているため、電源供給に余裕を持たせる意図で8ピン×3としたものと思われる。

補助電源アダプター 定格通りであれば「8ピン×2」で十分なのだが、オーバークロックした際の消費電力増加を想定してか「8ピン×3」の電源変換アダプターが付属していた
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