NVIDIAが1月3日(米国太平洋時間)、新型GPU「GeForce RTX 4070 Ti」を発表した。元々は「GeForce RTX 4080」の12GBモデルとして発売される予定だったもので、米国では当初よりも100ドル安価な799ドル(約10万5000円)から搭載グラフィックスカードを購入できるという。日本語公式サイトの情報によると、日本では14万9800円(税込み)から購入できるようだ。
スペックこそ、先行して登場したハイエンドモデル「GeForce RTX 4090」や「GeForce RTX 4080」よりも低い。しかし、NVIDIAによると「GeForce RTX 3090 Ti」と比較して165W少ない消費電力で平均1.8倍のパフォーマンスを発揮できるという。それが本当であれば、安くはないものの価格の割に処理効率の高いGPUであることは間違いない。魅力的な選択肢となりそうである。
1月5日の発売に先駆けて、ZOTAC(ゾタック)製グラフィックスカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC」を通してGeForce RTX 4070 Tiの“実力”を確かめてみよう。
GeForce RTX 4070 Tiは、先述の通りGeForce RTX 4080の12GBモデルとして発売されるはずだったGPUである。主なスペックは以下の通りだ。
先行発売された上位GPUと比べると、何より消費電力が低いことに目が行く。システム電力要件(推奨電源容量)は700Wと、やはり上位GPUよりも控え目である。
先に登場したGeForce RTX 4090/4080では、メーカー設計のグラフィックスカード「Founders Edition」が用意されていた。両GPUのFounders Editionは、共に3スロット厚のフルサイズカードで、搭載する際にスペース面や強度面での検討が欠かせない。メーカー設計のグラフィックスカードも、この点において変わりはない。
一方で、GeForce RTX 4070 TiにはFounders Editionは存在しない。基本的に、Founders Editionが用意されるのは下2桁が「80」以上のGPUに限られるので、4070 Tiの“リネーム”は、ある意味で正解だったのかもしれない。
今回レビューするZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OCもフルサイズカードではあるのだが、全長が約306.8mmmと、GeForce RTX 4090/4080を搭載するハイエンドカードよりも短くなっている。また、カードの厚みも2.5スロット分に抑えられているので、寸法や空間的余裕の確認は必要だが、やろうと思えばMini-ITXケースにも組み込める。
GPU補助電源ピンは、GeForce RTX 4090/4080搭載カードと同様に新しい「12VHPWR規格」のものを採用している。GeForce RTX 4070 Tiの消費電力的には従来の「8ピン×2」相当なのだが、今回レビューするカードには「8ピン×3」の変換アダプターが付属していた。このカードはOC(オーバークロック)に対応しているため、電源供給に余裕を持たせる意図で8ピン×3としたものと思われる。
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