NVIDIAが10月12日22時、最新GPU「GeForce RTX 4090」を搭載するグラフィックスカードの販売を解禁する。それに先駆けて、同社は一部の国内メディアに自社開発のグラフィックスカード「GeForce RTX 4090 Founders Edition」(日本未発売)を提供している。
この記事では、ベンチマークテストを通してGeForce RTX 4090の“実力”をチェックしていく。
GeForce RTX 4090は、新型GPU「GeForce RTX 40シリーズ」の最上位モデルに相当する。同シリーズは新しいGPUアーキテクチャ「Ada Lovelace(アダ・ラブレース)」を採用し、先代の「GeForce RTX 30シリーズ」における「Ampereアーキテクチャ」と比べて全般的な処理効率の向上を図っている。その高速化ぶりは処理内容によって異なるが、Ampere比でおおむね2〜4倍となっているという。
GPUのプロセス(微細度)は、Ampereアーキテクチャが8nm(登場時)だったのに対し、Ada Lovelaceアーキテクチャでは4nmとより細かくなっている。単純計算はできないが、同じ処理パフォーマンスを維持する場合、プロセスの微細化が進むとその分消費電力(と発熱)は抑えられる。
Ada Lovelaceアーキテクチャでは、シェーダーの数が最大90基となっている。これはAmpereアーキテクチャの最上位GPUである「GeForce RTX 3090 Ti」(84基)と比べると“微増”にとどまっているが、Ada Lovelaceではシェーダーに投入される前のデータを動的に整頓し処理の効率化を行う「Sharder Execution Reordering(SER)」を搭載しているため、消費電力当たりのシェーダーパフォーマンスは最大2倍、ゲームのフレームレートは最大25%改善するという。
加えて、Ada Lovelaceアーキテクチャでは、リアルタイムレイトレーシング(RT)の要(かなめ)となる「RTコア」は第3世代に進化した。「Opacity Micro-Map Engine」や「Micro-Mesh Engine」といったRT処理の高速化をするための機能も搭載している。
超解像技術「NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)」も第3世代となった。新世代のDLSSでは、超解像処理後の映像を使ってフレーム生成(補間)を行うことでフレームレートをさらに引き上げる機能を備えているが、この補間は第3世代RTコアの“実力”によって実現しているものである。
DLSS 3では、4K(3840×2160ピクセル)にアップスケールした映像に対してフレーム補間を行える。これはAda LovelaceアーキテクチャのGPUに搭載された第3世代RTコアに依存した処理となるため、GeForce RTX 40シリーズでないと利用できない
先述の通り、DLSS 3におけるフレーム生成はGeForce RTX 40シリーズ限定の機能となるが、それ以外のDLSSの機能は既存のNVIDIA製GPUでも利用できる。具体的には、超解像(アップスケール)処理はGeForce RTX 20シリーズ以降、マウスの入力遅延を極小化する「NVIDIA Reflex」はGeForce 900シリーズ以降で有効化可能だ……といっても、実際にGeForce RTX 4090がどのくらいのパフォーマンスを備えているのか、実際に試してみたい。次のページから、GeForce RTX 4090 Founders Editionを使って、あれこれベンチマークテストを実施していく。
「GeForce RTX 4090 Founders Edition」を先行開封 GPU補助電源は「8ピン×4」相当?
NVIDIAが「GeForce RTX 40シリーズ」を発表 新アーキテクチャ「Ada Lovelace」で最大4倍高速に
モンスターGPU「GeForce RTX 3090 Ti」はクリエイターにとっての福音? モンスターCPUと組み合わせて使った結果
NVIDIAがゲームにおける“遅延の少なさ”の重要性を説くイベントを開催 実際にプレイしてグラフィックスカードを当てよう!
12VHPWRコネクター対応電源の登場で次世代GeForceへの期待が高まるCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.