NVIDIAは9月21日(米国太平洋夏時間)、新型GPU「GeForce RTX 4090」「GeForce RTX 4080」を発表した。米国ではGeForce RTX 4090は10月12日、GeForce RTX 4080は11月の発売を予定しており、各GPUを搭載するグラフィックスカードの想定販売価格は以下の通りとなっている。
GeForce RTX 40シリーズは、新型GPUアーキテクチャ「Ada Lovelace(アダ・ラブレース)」を採用する初めてのGPUとなる。
製造プロセスは台湾TSMCの4nmで、集積するトランジスタは最大760億個となる。グラフィックスメモリはMicron製のGDDR6X規格のものを統合している。
シェーダー(SM:Streaming Multiprocessor)は最大90基、演算能力は最大90兆FLOPSとなる。シェーダーに入力される前のデータを動的に整理する独自技術「Sharder Execution Reordering(SER)」によって、先代の「Ampereアーキテクチャ」と比べてシェーダーのパフォーマンス(消費電力ベース)は最大2倍、ゲームのフレームレートは最大25%改善するという。
GeForce RTXシリーズの“キモ”である「RTコア」は第3世代となった。コア数は最大200基で、演算能力は最大200兆FLOPS(Ampere比で最大2.8倍)、Ray-Triangle Intersection(光線と三角形の交差判定)のスループットはAmpereの最大2倍になった。これにより、より高速なリアルタイムレイトレーシングを実現し、より没入感の高い3Dグラフィックスを楽しめるという。
また、第3世代RTコアには新たに「Opacity Micro-Map Engine(不透過性マイクロマップエンジン)」と「Micro-Mesh Engine(マイクロメッシュエンジン)」を搭載しており、RT処理をする際に必要な作業を支援する他、後述する「DLSS 3」の実現に大に役立っている。
機械学習の演算処理に利用する「Tensorコア」は第4世代となった。コア数は最大1400基で、FP8(8bit浮動小数点演算)演算エンジンも搭載することで実効演算速度をAmpere比で最大5倍まで引き上げた。
Ada LovelaceアーキテクチャのGPUコアによって、NVIDIAの超解像技術「NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)」は第3世代(DLSS 3)に進化する。
Ada LovelaceアーキテクチャのGPUには「Optical Flow Accelerator」が搭載されており、これを活用して高品質かつ高速にフレームレートの引き上げられるようになった。ゲームによって効果には差がありそうだが、思った以上に効果はてきめんそうである。
今回登場するGeForce RTX 40シリーズは、最上位の「GeForce RTX 4090」と「GeForce RTX 4080」の2種類で、後者については仕様が異なる2種類のチップが用意される。
いずれのモデルもAV1コーデックの動画をハードウェアベースでエンコードできる「第8世代NVENC(NVIDIA Encoders)」を2基搭載しており、「OBS Studio」や「Discord」を使ったゲーム実況にも活用できる(※1)。
(※1)OBS Studioは10月、Discordは2022年後半にサポートする予定
各GPUの主なスペックは以下の通りだ。なお、動作クロックや消費電力はNVIDIAにおける“定格値”となっている。
なお、GeForce RTX 4090とGeForce RTX 4080(16GBモデル)には、NVIDIA自らが設計したグラフィックスカード「Founders Edition」も用意されるが、日本での展開は未定となっている。
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