Intel CPUは、年初にCoreプロセッサ(第14世代)の通常タイプと低消費電力版が出回り、先行して2023年10月に登場した“末尾K/KF”モデルと合わせたフルラインアップが展開されるようになった。
そのまま好調を維持するかと思いきや、第13世代CoreとCore(第14世代)の不具合問題が長引いているうちにブレーキがかかり、後述する「Ryzen 9000」シリーズ登場前の7月頃には「IntelとAMDの売れ行きはちょうど5:5」という声が多くのショップで聞かれるようになった。
打開の兆しは10月だ。新世代CPU「Core Ultra 200S」シリーズと、対応する「Intel Z890チップセット」を搭載するLGA1851マザーボードが売り場に並ぶようになると、各ショップは熱気を帯びる。
最上位CPU「Core Ultra 9 285K」(11万6000円弱)を中心にマシンを一式組もうと考えるユーザーが集まり、CPUと共に「ROG MAXIMUS Z890 EXTREME」や「Z890 Taichi AQUA」などの17万円前後のウルトラハイエンドマザーボードが取り合いとなった。
しかし、285Kの入荷量が初回から少ない上に、再入荷の目処が立ちにくい状態が続いたことで、「IntelでハイエンドPCを組もうとすると、予算以外の不安材料が生じてしまう」(某ショップ)という印象が年の瀬まで尾を引くことになってしまう。
それでも、消費電力の低さや以前より高いクロックで安定動作が望めるCUDIMMのサポートなどの強みから着実に支持を広げており、年末にかけても「ROG STRIX Z890-I GAMING WIFI」(8万5000円弱)や「MEG Z890 UNIFY-X」(12万3000円前後)など、対応マザーが登場しては話題を集めている。
なお、AI処理に特化したプロセッサーであるNPUを内蔵した新世代CPUに合わせて、製品名に「AI」が入ったマザーボードが目立ったのもプラットフォーム全体を通しての動きといえそうだ。AIを冠する製品の売れ行きはまずまずながら、「AI学習に関してはまだ様子見の人が多い印象ですね」との評価が多かった。
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