ここからは、ベンチマークテストのスコアを詳しくみていこう。まずは定番のCINEBENCH 2024だ。CGレンダリングを行ってスコアを出すベンチマークテストで、CPU(GPU)のパワーがダイレクトに反映される内容だ。
結果は、マルチスレッド処理のCPUスコアではAMD機が突出したスコアになった。一般的なクリエイター向けPCやゲーミングPCをも上回る水準だ。シングルスレッドでレンダリングするCPU(シングルコア)ではIntel機がAMD機を上回り、シングルスレッド処理での強さをみせている。
Qualcomm機はmyHPユーティリティーでパフォーマンスモードを選べないため、Intel機とAMD機でもmyHPの動作モードをデフォルトの「SmartSense」に設定した場合(設定がないQualcomm機はデフォルトのまま)でも計測してみた。どちらもスコアがやや低下するものの、大勢には変化がない。
CINEBENCH 2024(最低実行時間10分)のスコア比較(SmartSense)。参考までに、Intel機とAMD機でmyHPユーティリティーの設定を「パフォーマンス」ではなくデフォルトの「SmartSense」にしてみた場合の比較また、CINEBENCH R23のスコアも掲載した。R23は、Armネイティブ版がないため、Qualcomm機ではエミュレーションにて動作し、本来のパフォーマンスは発揮できない。結果を見ると、CPU(シングルコア)のスコアが、Intel機でいえば第10世代Core以前の水準であり、エミュレーション動作の影響が顕著に伺える。それでも12コアのパワーでマルチスレッド性能はIntel機に少し劣る程度になっている。ここでもCPUスコアではAMD機は圧勝で、マルチスレッド性能では抜けた強さを示した形だ。
先述したように、CPUが実際に発揮できるパフォーマンスはフォームファクターや熱設計の影響を受ける。特にCINEBENCH 2024のような高負荷のテストでは影響が大きいことから、今回AMD機のみ約1.57kgと少し余裕があるフォームファクターであることが有利に働いていることは間違いないだろう。
Geekbenchは、多様な命令セット/デバイス/OSにネイティブ対応し、それぞれの性能を計測、比較できるクロスプラットフォームのベンチマークテストだ。
CPUのテストでは、Multi-CoreだけでなくSingle-CoreのテストでもIntel機を上回っている。Qualcomm機はMulti-Coreでは健闘しているが、Single-CoreではIntel機とAMD機とは少し差を付けられた。
GPUのテストについては、Open CL/Metal/Vulkan APIでのテストだったが、ここでもAMD機が強い。
ストレージの性能は、CrystalDiskMark 8.0.6(ひよひよ氏・作)で計測した。Qualcomm機だけ見劣るスコアだが、どのプラットフォームでもSSDの公称パフォーマンスはしっかりと出ており、単純に評価機が搭載しているSSDの違いによるものだ。Qualcomm機は、少しコストダウンを意識してベーシックなモデルが採用されているのだろう。
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