Intel×AMD×Qualcomm対決! 3プラットフォームの14型AI PC(Copilot+ PC)をテスト 比べて分かった違い(1/3 ページ)

» 2024年12月27日 12時00分 公開
[マルオマサト,ITmedia]

 2024年の大きなトピックである「AI PC」。Microsoftが「新しいAI PC」として「Copilot+ PC」を定義し、要件を満たしたPCでは、Windows 11で新たに追加された(される)さまざまな機能を利用可能だ。

 新しいAI PCとCopilot+ PCの要件を満たす40TOPS以上のNPUを統合したプロセッサは、QualcommのSnapdragon Xシリーズが先行し、後を追う形でAMDからはRyzen AIシリーズが、IntelからもCore Ultra シリーズ2が発表され、それぞれのCPUを搭載したモデルが登場している。

 AI PCに注力する日本HPは、3種それぞれのプラットフォームを採用したAI PCをリリースしている。今回それらを借用することができたので、3回に渡って比較検証していく。

 中編の今回は、定番ベンチマークテストの結果を見ながら考察していこう。

AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra 今回利用したモデル。左から「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」(Core Ultra 7 258V搭載)、「HP OmniBook Ultra 14-fd0007AU」(Ryzen AI 9 HX 375搭載)、「HP OmniBook X 14-fe」(Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載)

3モデルのスペックを比較する

 まず、今回取り上げるモデルのスペックを掲載する。「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」(Core Ultra 7 258V搭載)、「HP OmniBook Ultra 14-fd」(Ryzen AI 9 HX 375)、「HP OmniBook X 14-fe」(Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載)の3台だ。

 同社の個人向けとなる「OmniBook」ブランドではあるが、それぞれのモデルはフォームファクターや装備が異なっている。この点はパフォーマンスを評価する上でも考慮に入れておく必要がある。

 というのも、近年のCPUは負荷状況と温度や電力を監視しながら周波数をブーストする機能を持つため、同じCPUを搭載していても実際に発揮できるパフォーマンスが同じとは限らない。それぞれのフォームファクター、電力設定や放熱設計などに左右される。

 フォームファクターが小さくとも、特別な高密度実装や専用の放熱システムを導入するなどしていればまた話が違ってくるので一概に言うことはできないのだが、やはりフォームファクターが大きい方が、放熱設計に余裕を持たせやすい。そのため、パフォーマンス面では有利な傾向にある。

 つまり今回の場合、約1.57kgと重めなAMD機が最も有利で、次いでQualcomm機となる。Qualcomm機と同じ重量(約1.34kg)ながら、マルチなスタイルで運用できる2in1ギミックを備え、装備も豪華なIntel機は最も不利といえる。

AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra 今回とりあげる3モデルのスペック比較
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra 3モデルのスペック抜粋(主に性能に影響する部分)
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Core Ultra 7 258Vを搭載する「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Ryzen AI 9 HX 375を採用する「HP OmniBook Ultra Flip 14-fh」
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Snapdragon X Eliteを備えた「HP OmniBook X 14-fe」 

電源モードとユーティリティー「myHP」の設定

 ベンチマークテストを実施する際には、Windows 11の電源モードの設定や各モデルに導入されているユーティリティーによるパフォーマンス設定にも注意が必要だ。

 Windows 11の電源モードは、パフォーマンスに少なくない影響がある要素の1つである。多くの場合「バランス」がデフォルトになっているが、今回の性能テストにおいては「最適なパフォーマンス」、バッテリーのテストは「最適な電力効率」を選んだ。

 また、Intel機とAMD機については、日本HP独自のmyHPユーティリティーに「システム制御」のメニューが用意されており、用途に合わせてモードが選べる。デフォルトは「SmartSense」だったが、これを「パフォーマンス」に変更して計測した。

 Qualcomm機については、myHPユーティリティーは導入されているものの、「システム制御」のメニュー自体が存在しない。Armベースの命令セットアーキテクチャを採用していることが、こういったユーティリティーの開発にも影響している可能性が高い。

AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra 性能テスト時のWindows 11の電源モード設定は「最適なパフォーマンス」で統一している
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Intel機とAMD機はmyHPユーティリティーのシステム制御設定を「パフォーマンス」にした
AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Qualcomm機では、システム制御設定が用意されていなかった

x64(x86)とArmの違いに注意

 今回は、QualcommのSnapdragon X Elite搭載機がテスト対象に含まれている。Snapdragon X Eliteは、ArmベースのCPUコアを採用しているため、x86やx64(x86の64bit拡張)ベースのIntel機、AMD機とは命令セットの互換性がない。

 Armベースのコアのパフォーマンスがフルに発揮できる「Armネイティブ」のアプリもまだ数が少なく、多くは一般的なx64/x86ネイティブのアプリをエミュレーションすることで動作するようになっている(動作しない場合もある)。

 ベンチマークテストはArmネイティブバージョンがあるものを中心に実施しているが、あえてArmネイティブのバージョンがなくエミュレーション実行のテストも含めているので参考にしてほしい。

AI PC Copilot+ PC 14型ノートPC Qualcomm Snapdragon X AMD Ryzen AI Intel Core Ultra Qualcomm機でタスクマネージャーの詳細画面を見れば、プログラムの命令セットアーキテクチャが分かる
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