コントローラー部分もチェックしましょう。メインコントローラーは、中央部のジョイスティックに加え、円形のモードボタン+ホイールで構成されています。従来品は円形ボタンがタッチパネル式でしたが、大まかな操作は同一。かつ確実に押した、操作をしたという感覚が得られるように改善していますね。
モードボタンは、下側を押すとモードがFPV、オート、フォロー、マニュアルと切り替わります。現在のモードはLEDの光っている場所で把握できます。
左側の赤丸部分は録画/停止ボタンです。ペアリングした状態で使うと、Apple DockKit対応カメラアプリを操作できます。
右側を二度押しすると縦横の画角変更ができます。ジョイスティックはジンバルの角度調整のため、ホイールはズーム倍率を変えるときに使います。
見た目以上に操作感に影響を及ぼしたのがトリガーです。1度押しでトラッキング開始/停止、2度押しでセンタリング、3度押しで前向き、後ろ向き(メインカメラで自撮り)、押しつづけるとロック方向の調整ができますが、ボタンストロークが減ったことで操作しやすくなりました。ゲームのコントローラーもそうですが、ストロークによっても操作性は大きく変わるものですね。
アナログな手法ですが便利だと感じたのが、スマホ側のジンバルモーター部に備わっているミラーです。画質の良いメインカメラで撮影しながらカメラの向きを(簡易的に)確認できるというものです。
Insta360は、最新のデジタル技術で課題を解決し続けてきたメーカーという印象が強かったのですが、考えが変わりました。良いと思える要素は新しいものも古いものも取り入れていくメーカーだと感じます。
ジンバルそのものの安定感はいうまでもありません。フラットとはいえ未舗装の場所を歩いても余計な微振動もなく、360度回転させることができる仕様のため、被写体を追いかけ続けやすいという特徴も持っています。
今回、やはり改善ポイントの1つである、複数の人が画角内にいる状態でもトラッキングしてくれる、そして動物のトラッキングも可能という「Deep Track 4.0」が試せなかったのですが、動画撮影だけではなく、YouTubeやTwitchで雑談生配信をするときも失敗することなく活躍してくれるだろうという実感はあります。
過去モデルのInsta360 Flow/Flow Proは、完成度の高いスマホ用ジンバルでした。カスタムスキンで好みのカラーリングで彩れるなど、ファッショナブルな要素も取り入れ、ユーザー層を拡大しようとした設計も納得がいくものです。椅子に座りながらの撮影をするのであれば、まだまだ、いやバッテリーが消耗し切るまで現役で使い続けられるでしょう。
しかし、外で撮影するのであれば、持ちやすく、操作しやすいInsta360 Flow 2 Proの秀才さがキラッと光ります。抜本的な進化はなくても、改善ポイントを重ねることでさらなる魅力を作り出せることを証明してくれたことにも感謝したいですね。
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