持っているだけで楽しい! “ゲームボーイオマージュ”のAndroidデバイス「AYANEO Pocket DMG」の実力を試す(3/3 ページ)

» 2025年01月29日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]
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ゲームは快適に遊べる? 動作パフォーマンスをチェック

 見た目は良くても中身はどうか、というところが気になるだろう。そこで、ベンチマークテストや実際のゲームプレイで性能や使い勝手がどうなのかを見ていきたい。

 なお、パフォーマンスとファンの回転速度はともにMaxに設定した。

パフォーマンスは「Max」モード Maxモードのパフォーマンスでベンチマークテストの実施やゲームプレイを行った。なお、Maxモードではファンの音がかなりうるさいので、公共の場所での利用は難しいだろう

 まずはおなじみ「AnTuTu Benchmark 3D」でベンチマークテストを行ったところ、総合では153万4498であった。CPUは37万1263、GPUは56万8281、MEMは32万352、UXは2万7462というスコアであった。

AnTuTu Benchmark 3D AnTuTu Benchmark 3Dの結果

 「Geekbench 6」では、4回測定した平均値で、CPUシングルコアが2144、CPUマルチコアが5588.3、GPUで1万2247であった。これは、シングルコアでSamsung Galaxy S24 Plusの2091より、マルチコアでSamsung Galaxy S23 Plusの5064より、GPUではSamsung Galaxy Z Fold4の5573より高いスコアだ。

Geekbench 6 Geekbench 6での最高値

 「3DMark」の「Wild Life Extreme」でも計測した。これは、2020年に発表された「Wild Life」の3倍の負荷をかけたベンチマークテストで、5回計測した平均値は総合スコアで3388.8、平均フレームレートは20.41FPSであった。

Wild Life Extreme Wild Life Extremeでの最高値

 次に、ゲームの快適性も検証したい。

 最初にプレイしたのはmiHoYoの「ゼンレスゾーンゼロ」だ。同作品は、コントローラーによるプレイにネイティブで対応している。ゲーム起動後の設定で「UIレイアウト」をコントローラーに変更するだけで快適に遊べる。

ゼンレスゾーンゼロ ゼンレスゾーンゼロ(miHoYo)の一場面。左ジョイスティックで移動させ、右側のタッチパッドで視点(カメラ)移動させる。筆者だけかもしれないが、視点移動はジョイスティックよりタッチパッドのほうが直感的だと感じた

 他の多くのスマートフォンとはアスペクト比が異なるものの、縦長に表示されるということはない。また、419ppiと比較的高い画素密度のおかげで、画質も良好だ

 ただし、ゼンレスゾーンゼロではフレーバーテキストが多く、近くを見づらい年頃の筆者では、文字を読むのが厳しいと感じた。

小さく表示されるテキスト キャプチャー画像なので読めるが、これが3.92型ディスプレイに表示されていると、かなりつらい(miHoYo)

 「Stardew Valley」のようなドット絵を駆使したゲームなどは相性が良い。表示されるテキストが少ないうえ、比較的大きめだからだ。

Stardew Valley Stardew Valley(ConcernedApe、Eric Barone)のようなレトロ感のあるゲームであればテキストを読めないということはない

外部ディスプレイにも出力できる!

 性能の高さを生かしきれないのはもったいない。そこで、懐かしさを覚える年代の人には、外部ディスプレイの利用をおすすめしたい。AYANEO Pocket DMGのUSB Type-C端子は画面出力に対応しているので、ケーブル一本で外部ディスプレイに接続できる。本体が小さいので、コントローラーのように使えるだろう。

モバイルディスプレイに接続 USB Type-Cケーブルでモバイルディスプレイに接続した。これだけ大きい画面なら、ストーリーを進めるのに重要な鍵となるかもしれないテキストが読めないということはないだろう

 Steam Linkを利用して、Steam Deckをリモートでプレイすることも試してみた。

Steam Link まずはSteam LinkでSteam Deckと接続しておく。ディスプレイのアスペクト比が、一般的なスマートフォンと異なり、ほぼ正方形のためか、右側が切れて表示されている。ちなみにスワイプして右側を見ることもできない

 いったん接続してしまえば、画面の小ささ以外に何の問題もなくSteam Deckライブラリにあるゲームをリモートで遊ぶことができた。

Steam Deckと接続 無事にSteam Deckとリンクしてリモートで遊べるようになった
外出先でもリモートプレイ もちろん、外出先でも自宅にあるSteam Deckに接続してSteamのゲームを遊べる

 ズボンの尻ポケットに入るサイズで持ち運びしやすく、懐かしさからレトロゲームを遊びたくなるなど、持っているだけで楽しくなるAYANEO Pocket DMGだが、操作性であえて難点を挙げるとすれば、寝転んだ状態でのゲームプレイが難しいということだろう。

 ほとんどのポータブルゲーム機は横長で、コントローラーのグリップがしっかりしているだけでなく、母指球(手のひら側の親指の付け根)で本体を支えるだけのスペースがある。しかし本機ではそれが難しい。

 プレイヤーがわずかでも下を向いた状態(画面が上向き)で操作している間は中指から小指で本体を支えられるが、少しでも上を向いてプレイしようとすると途端に安定感が失われて操作性が損なわれてしまう。AYANEO Pocket DMGが顔面を直撃する可能性も出てくる。

 小さいからと、どこへでも持ち運びたくなるデバイスではあるが、ソファやベッドで寝転びながらのプレイには十分注意したい。

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