ここから、本題のオンライン会議でも使えるかについて確認していこう。
大前提として、どちらのイヤフォンもオープンイヤーなので、周囲の音がしっかりと聞こえてくる。このため、騒がしい場所では音声が聞き取りにくくなるということはある。音量を上げれば多少の騒音でも聞き取れるようにはなるが、その場合はPSZがあっても音漏れの可能性が高くなる。
周りが騒がしければ多少の音漏れは気にならないということもあるが、nwmシリーズだけではなく、オープンイヤーは騒がしい場所での利用は不向きだと思っていた方がいいだろう。
逆に、そこまで騒がしくない自宅やオフィスでの利用なら、周囲の状況も確認しつつ通話も行える。横から同僚に声をかけられた場合にも柔軟に対応できそうだ。
肝心の通話音質に関してだが、nwm DOTSについては全く問題がない。nwm DOTSには、マイクのノイズを除去する特許技術「Magic Focus Voice」が搭載されている。もともとは、この技術を搭載したマイクデバイス「nwm Voice Buds」を販売していたが、現在は販売を終了している。現行の搭載モデルは、ヘッドフォンタイプのnwm ONEとnwm DOTSのみとなる。
Magic Focus Voiceは、音が2つのマイクに到達する時間差を利用して話者を特定する「ビームフォーミング」と、雑音を除去して音声だけを抽出する「スペクトルフィルター」の2つの技術を利用して、効果的に話者の声だけを伝えることができるというものだ。
実際に自分の声を録音して確認してみると、周囲で音楽が流れていたり、人の話し声がしたりしている環境でも自分の声のみが録音できた。もちろん周囲の音の大きさ次第ではあるが、生活騒音がある自宅や、ちょっと騒がしいオフィスでの利用は何の問題もないだろう。
ただ、交通量の多い道路脇や雑踏の中では、さすがに騒音も録音される。また、騒音を消す処理の影響なのかは分からないが、騒音が多い中では若干自分の声も歪んで記録されることがあった。そもそも、そういった環境では相手の声も騒音にかき消されてしまうので、オープンイヤーを使用するのには向いていないだろう。
nwm WIREDにはMagic Focus Voiceが省かれており、周囲の音がダイレクトに記録される。無線イヤフォンの場合、安価な製品でもcVc(Clear Voice Capture)機能により多少なりとも騒音を軽減できるのだが、有線接続のnwm WIREDにはそれも非搭載だ。周囲の会話が相手にも聞こえてしまうので、騒がしい場所での利用には向いていない。
一方で音声処理がないためなのか、騒音環境でも自分の声が歪んでしまうようことはなかった。また、静かな環境であれば、nwm DOTSよりも音声がクリアに聞こえた。これはマイクがケーブルの途中にあり、口元に近いということも影響しているのかもしれない。
どちらの製品も、そこまで騒がしくない環境であればオンライン会議でも十分に利用できそうだ。周囲の騒音が気になるという場合には、Magic Focus Voiceを搭載しているnwm DOTSの方が向いているだろう。
ただ、ANC搭載のイヤフォンとは違い周囲の音が遮断されないので、自分の声はクリアに相手に届けられても、騒がしい場所では相手の声が聞こえづらくなる。その意味では、外に持ち出しての利用は難しいかもしれないが、自宅で家族の様子を確認しながら、あるいはオフィスでも同僚に声をかけられても気が付けるという点では便利だろう。
同社の直販価格は、nwm WIRED(3.5mm)が4950円、nwm WIRED(USB Type-C)が5940円、nwm DOTSが2万4200円となる。オンライン会議が増えてきてイヤフォンを使っているが、閉塞感が苦手、長時間の装着は耳が疲れるといった人は、オープンイヤーのnwm DOTSやnwm WIREDも試してみてほしい。
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