新Intuos Proでは、上記の16年続いた伝統を破って、上部の中央寄りにキーとダイヤルが配置されました。なぜでしょうか?
「プロは何だかんだキーボード使う」といえばそりゃそうだなのですが、今回はキーボードとの併用で使いやすいキーとダイヤルを検討したのだそうです。実際に手を添えてみると、従来モデルでは腕が当たったりして誤爆しがちだった横側から離れ、キーボードに添えた手で触りやすい位置に来ています。
ダイヤルもタッチホイールからクリック感のある物理ダイヤルに変更され、クリックを感じながら素早く正確に回すことができるようになっています。ダイヤルにはそれぞれ3つまで機能を割り当てられ、中央の丸形ボタンで切り替えて使えます。
後の実用パートで、もう少し詳しく使用感をチェックします。
プロペン3はこれまで、「Cintiq Pro」やMovink 13でも見てきましたが、板タブに採用されるのは初めてです。カタログ数値的にはプロペン2に比べてサイドボタンが2個から3個に増えたぐらいの変化ですが、数値に現れない部分が大きく進化しています。
などです。
また、新Intuos Proでは従来からあった「標準芯」と「フェルト芯」に加えて、「ラバー芯」が登場しています。
それぞれの芯の感触は、ザッと書くと
といったところで、全体的には旧モデルの紙の感触を目指したような感触よりは、液タブのサラッとした描き心地に寄ってきた感じがします。
個人的には標準芯が好きですが、フェルト芯はシートのテクスチャが伝わってくる感じがして、好きな人も多そう。ラバー芯は滑らかで強めの摩擦があって、これはこれで引っ張って描くような運筆でのコントロール性が良さそうでした。
ラバー芯は軽い筆圧でも摩擦があるので、たたくようなタップをしたときのズルっと滑るような動きを防ぎやすいです。UIを忙しく追い回すような用途に適していると思いますし、これがドローイング以外にも使われがちな板タブで追加された理由でもあるでしょう。
また、無理に紙の描き味を目指さなくなったことからも想像できますが、旧モデルよりも芯の摩耗が軽減されています。従来比1.5〜2倍とのことでしたが、手元で使ってみた限りはそれよりもよく持つように感じました。軽い筆圧で描きやすくなっているからかもしれませんね。
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