M2チップ搭載のiPad Airの2024年のモデルと、今回のiPad Air、そしてM4チップのiPad Proの性能をGeenkbenchおよびGeekbench AIで計測して比較した。Geekbench AIの結果がApple Intelligenceにどの程度影響を及ぼすかは、iPhone 16eのレビューを確認してほしいさて、最後にiPad Airの性能を検証してみよう。実は2024年発表のiPad Airと2025年のiPad Airのほぼ唯一の違いは、搭載プロセッサとMagic Keyboardのファンクションキーなので、ある意味、これこそが新iPad Airの違いの本質と言える部分だ。
おなじみのGeekbenchとGeekbench AIを使って性能を検証したが、2024年のM2モデルとの比較では、いずれのテストの結果も1.1〜1.16倍で2割に満たない伸びだ。人間がコンピューターの処理速度の違いを感じ取る上では、性能比ではなく、実際に行わせた処理がどれくらいの時間で終了するかの方が重要なので一概には言えないが、実行時間や応答性の違いを認知できる「just noticeable difference(JND)」を感じる上で必要な性能比は、一般にウェーバー比と呼ばれる法則から10〜20%以上といわれている(根拠として示せる論文はないので、参考値として捉えてほしい)。そう考えるとiPad Airの性能向上はギリギリのラインで、明らかに2024年のiPad Airを買った人が購入すべきモデルではない。
これからのApple製品で重要になるApple Intelligence対応に関しても、iPad AirはM1搭載モデルから対応しているので2024年モデルで十分だ。
そう考えると新規購入の人にはお勧めできるが、旧製品からの乗り換え需要の主なターゲットはMシリーズのプロセッサを搭載する前のAシリーズのプロセッサを搭載したiPadユーザーとなるだろう。
とはいえ、iPad 15周年に登場した記念すべきiPad Airだし、製品としての外観ももちろんだが、価格や機能、性能のバランスは円熟した魅力を感じさせる。
※記事初出時、Apple Pencilの記載について誤りがありました。おわびして訂正します(2025年3月12日午前3時03分)。
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