現在のF1は、“チームスポーツ”として高度に戦略化されている。レースでで車を走らせるのはドライバーだが、かといって天才ドライバーの力量だけで勝敗を決することはない。
今回の日本グランプリでも、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン氏が天才的な走りでポールトゥーウィンを飾ったが、彼の走りの背景にはチームを支えるさまざまなスタッフ、エンジニア、そしてテクノロジーがある。
現代では多数のエンジニアやアナリストがコンピュータを駆使し、センサーなどが集める大量の細かなデータを解析、レースカーのセットアップを最適化し、戦略を組み立てる。
例えば、予選でのワンラップのタイムアタックでも、タイヤのコンディション、コース上の混雑状況など、さまざまな要素を考慮しながら的確な指示をドライバーに送らねばならない。
最終的にドライバーにメッセージを送るのはエンジニアだが、その指示の背景には多様な情報を分析した情報がある。
もちろん、レース本番ともなればタイヤ温度、劣化の状況、タイヤ交換のタイミング、燃料マネジメント、セーフティカーの出動リスクなど、リアルタイムに複合要素を加味しながらドライバーを導いていく。
レーシングカー各部に取り付けられた加速度センサーは、コーナリング中のちょっとしたスライドも見逃さず、車の姿勢変化などを常に検出し続けている。膨大なセンサー情報と映像を、AIを含む高度な分析プラットフォームで、どのように処理し、判断するか。一瞬の遅延や誤差がレース結果を大きく左右することもある。
では、なぜLenovoはトップチームの一角をサポートするのではなく、F1全体のグローバルパートナーとなったのだろうか。
実は映像システムはもちろん、センサー、映像システム、データ収集/分析のプラットフォームなどは、F1の共通システムを通じてチームに配信される。チームによる分析そのものはチームごとに行うものだが、その基礎となるデータプラットフォーム側がある。
各チームは個別のアプリケーションやアルゴリズムで解析を進める一方、全チーム共通のタイム計測や映像、その他の情報を同じ基盤から取得しており、そのデータの正確性や情報量の多さを改善することで、個別のチームではなく“F1全体”のパフォーマンスを底上げできる。
これが、Lenovoが個々のチームではなく“F1全体”のテクノロジーパートナーを選択した理由だという。
高い品質のデータプラットフォームを維持するためには、グローバル規模で展開できるITインフラ構築ノウハウが必要で、さらにパーソナルコンピュータ(クライアント)からサーバ、ストレージ、ネットワーク、そしてAIを活用した高速な分析システムに至るまでの包括的なソリューションを提供できなければならないのはもちろんだが、転戦するどの国/地域でも均質なサポート体制が必要になる。
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