今回、事前に予約をしたのは午後3時15分の回であり、参加人数は約20人だ。親子連れが多く、ベビーカーでの参加者を含めて、子どもが約半分を占めていたのが印象的だった。
入口前では、ノモの国のオリジナルアニメの予告編を上映しており、それを見ながら入場時間を待つことになる。
ノモの国のオリジナルアニメは、今回の万博開催にあわせて制作されたもので、約34分間の作品となっている。市ノ瀬加那さん、潘めぐみさん、悠木碧さんなどの人気声優を起用した他、歌手の大原櫻子さんがテーマソング「夢は翼」を歌っている。
ノモの国の館長を務める、パナソニック ホールディングスの小川理子執行役員は、「パナソニックグループパビリオンの体験は、オリジナルアニメのアナザーストーリーに位置付けている。アニメを見てから来場すれば、より楽しんでもらえる。ノモの国に来場する前には、ぜひ、オリジナルアニメを見てほしい」と呼びかける。
予定の時間になると、Unlock体験エリアの入口に誘導される。Unlock体験エリアは、「カガミイケの奥深く」「ノモの森」「古木の谷」「大空へ」という4つのZONEで構成されており、まるで冒険をするような感じだ。
ZONE1のカガミイケの奥深くでは、真っ暗な空間の中に光や音、振動によって演出されたノモの国の様子を体験できる。
部屋の設置場所に合わせて最適な音質に調整する「Space Tune」の応用や、Technicsの高音質スピーカーで構成された23.4チャンネルの立体音響サウンドシステム、高輝度プロジェクターなどを活用することによって、水や風、光などを意識することができ、非日常の体験が始まることを予感させる。
ZONE2の「ノモの森」では、参加者一人一人がテーブルに置かれた「結晶(クリスタル)」を取り、光を放つ森の木々や岩に結晶を近づけると、音や光で反応する。輝く木や岩を見つけた子どもたちは、そこに駆け寄り、結晶を近づけるという様子があちこちで見られた。
実は、この結晶にはRFIDが内蔵されており、上部に設置された6台のカメラを組み合わせて、体験者の行動を分析することができる。この情報が、この後のZONEで活用されることになる。
多くの木や岩にかざしたり、人が少ない場所を選んでかざしたりといったそれぞれの行動から、性格などを分析するという。
ZONE3は、「古木の谷」だ。
古木には、個々人の個性や特性を反映した映像が表示され、さらに、それぞれに異なる色や形をしたチョウが結晶から解き放たれることになる。
古木には、透明OLEDディスプレイが埋め込まれており、そこに文字が表示されると共に、古木をのぞき込んだ体験者の表情を4台のカメラで捉え、ZONE2で収集した行動データと組み合わせて、感性モデルによって分析。それぞれの個性を表現する。
これはパナソニックグループが取り組んできた人の理解研究に基づく研究成果を活用したもので、表情解析や行動解析を元に、体験者の特性を分析できるという。
同社によると「好奇心やリーダーシップ、自律指向など、子どもを軸とした感性モデルによって特性を分類しており、性格的な強みとして4種類、強みを発揮する環境で8種類を掛け合わせた合計32種類の行動特性を示すことができる」とのこと。
これらの分析結果をベースに、個性として表現されるチョウの種類は百数十種類になる。
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