Ryzen 7 260&Radeon 780M搭載、OcuLinkなど拡張性も充実したミニPC「Minisforum AI X1」を試す(3/3 ページ)

» 2025年05月28日 12時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]
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NPUの利用はまだ限定的

 さて、ベンチマークテストで従来のPCの使い方をした場合のパフォーマンス評価を行ってきたが、冒頭で紹介した通り、AI X1は従来のPCと違ってNPUが搭載されている。

 NPUはAI処理に特化したプロセッサで、例えば今までは高性能なGPUが必要だった画像認識や自然言語処理などを、GPUを用意せずとも、それこそAI X1のような小型PCでも省電力に実現できるといったものだ。

 しかしながら、Ryzen 7 260に内蔵されるNPUは、Microsoftが提唱するCopilot+ PCのパフォーマンス要件を満たしていないと冒頭で触れた。であれば「AI X1のNPUは無駄ではないのか」と感じる方もいるだろうが、決してそうではない。

 あくまでCopilot+ PCの要件を満たしていないだけで、NPUを利用した各種アプリケーションで恩恵は受けられる。

photo RyzenのNPUを使ったAI 推論を最適化および展開するためのツールとランタイム ライブラリである「Ryzen AI Software」

 ただし、現状ではまだまだNPUを搭載したPCの普及は発展途上にあるため、クラウド上のLLM(大規模言語モデル)を利用するサービスやプロダクトが多く、手元の端末のNPUを活用できるアプリはMicrosoftのCopilotやWindows Studio Effects位しか存在しないのが正直なところだ。

 加えてCopilotの場合、Microsoft 365 Personalの契約が必須なので、気軽に利用できる状況にはない。

photo Ryzen AI Softwareを使ってテストコードを書き、NPUを動作させた様子。

 もしくは、AI PCでのAI推論を最適化および展開するためのツールとランタイム ライブラリである「Ryzen AI Software」を使って自身でコードを書くしかないのが現状だ。

 今後、NPUの普及がさらに進めば、Copilot+ PCの要件を満たさなくとも利用できるAI関連のアプリが出てくることを期待して待つのも良いが、AI X1を購入したのであれば、Ryzen AI Softwareを活用してAIアプリを開発する、なんてプランはいかがだろうか。

 AI X1は小型ながらCPU、グラフィックスのパフォーマンスも高く、それでいてコンパクト──全てのユーザーを通しておすすめできる製品だ。さらに最新の生成AI機能に活用できるNPUが搭載された、夢の詰まった製品とも言えそうだ。

「Minisforum AI X1」製品情報

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