国際色豊かな受賞者たちは6月9日から開催される「WWDC25」(世界開発者会議)の授賞式で、タッチすると光るAppleロゴを内蔵した3.9型のアルミキューブのトロフィーが贈呈される。
2025年の受賞者は、特にアジア勢の奮闘ぶりが目立ったが、残念ながら日本からの入選作はなかった。日本からの入選は、2023年のCAPCOM「バイオハザード ヴィレッジ」が「ビジュアルとグラフィック」のゲーム賞を受賞したのが最後だ。
1997年にスティーブ・ジョブズ氏の復帰と共にスタートした同アワード。最初は「Human Interface Design Excellence Awards(HIDE Awards)」として始まった。
Apple製品は優れた操作性(ヒューマンインタフェース)が自慢だが、OSとApple製品の操作性だけが優れていても、他社製ソフトの操作性が優れていないと、それによってApple製品の印象も悪くなってしまう。そこで、他社製ソフトの操作性も向上させようと始まったアワードだ。
初期の受賞作品は「美しいUI」や「革新的な機能」に焦点を当てていたが、近年になって「社会的インパクト」や「インクルージョン」といった価値観も重視し、受賞カテゴリーとして追加するようになった。
これは、Appleが影響力の大きいテクノロジー企業だからこそ必要な社会に対する責任を自覚し、それを自社だけで実践するのではなく、Appleの生態系を支える開発者たちにも広めようとする姿勢だと考えていいだろう。
ちょうどAppleは環境への取り組みで、自社だけでなくサプライヤーにも再生エネルギーを活用して炭素排出を抑えるように呼びかけているが、それに似たものを筆者は感じている。
本格的なAIの時代になり、テクノロジーは我々の生活のさらに深部に大きな影響を与えようとしている。
Apple Design Awardsの受賞を目指すなら、そもそもどんなアプリを作って、社会にどんな価値を提供しようとしているかをしっかり考えることこそが大事な一歩だと言えそうだ。
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