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AMDが「Instinct MI350シリーズ」を2025年第3四半期に出荷開始 275台以上のラックシステムを2030年までに“1台”にまとめる計画も

» 2025年06月13日 03時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは6月12日(米国太平洋夏時間)、AI(人工知能)/HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向けGPUアクセラレーター「AMD Instinct MI350シリーズ」を2025年第3四半期から順次から出荷することを発表した。

Instinct MI350シリーズ Instinct MI350シリーズの出荷見通しが明らかに

ラインアップ

 Instinct MI350シリーズは、ピーク時のFP4/FP6演算能力が18.45PFLOPSの「Insinct MI350X」と、20.1PFLOPSの「Insinct MI355X」の2製品を用意する。いずれも3nmプロセスの新しい「CDMA 4アーキテクチャ」を採用し、OAMモジュールとして提供される。メモリは288GB(HBM3E)で、アクセス帯域は毎秒8GBとなる。TBP(消費電力)はInsinct MI350Xが最大1000W、Insinct MI355Xが最大1200Wとなる。

仕様 Instinct MI350シリーズの主な仕様
世代間比較 現行の「Instinct MI300X」とInstinct MI355Xを実際のワークロードで性能を比較すると、用途によっては3倍を超えるパフォーマンスを発揮できる
競合比較 競合の「NVIDIA GB200」「NVIDIA B200」との比較図。「AIやHPCにおける業界最高のパフォーマンス」を発揮できるという
性能比較 実際のワークロードでNVIDIA GB200/B200と比べても強いことをアピールしている
1ドル当たりのトークン Insinct MI355Xなら、NVIDIA B200比で1ドル当たり最大40%多くのトークンを処理できるとアピール

 両製品は、OAMモジュールを8基セットにしたプラットフォームとして購入するオプション(Insinct MI350X Platform/Insinct MI355X Platform)も選択できる。ユーザーのニーズに応じて空冷版と液冷版のどちらも用意可能だという。

 また、自社のCPU「第5世代EPYC」とネットワークコントローラー「AMD Pensando Pollara 400」を組み合わせたラックインフラも用意しており、Dell TechnologiesやHewlett Packard Enterprise(HPE)といったパートナー企業を通して2025年第3四半期から順次発売される予定だ。

プラットフォーム OAMモジュールを8基装着したプラットフォーム製品も用意している
ラック ラックソリューションとしての購入も可能だ
ラック 各種製品はパートナー企業を通して提供される

2026年には「Instinct MI400シリーズ」も登場

 AMDのロードマップでは、2026年内に「次世代CDNAアーキテクチャ」に基づくInstinctの次世代製品「Instinct MI400シリーズ」が登場する予定となっている。

 今回の発表では、Instinct MI400シリーズに、Zen 6アーキテクチャの「次世代EPYC(開発コード名:Venice)」と「次世代Pensando(開発コード名:Vulcano)を組み合わせたラックソリューション「Helios(開発コード名)」を2026年内にリリースすることを明らかにした。

 Instinct MI400シリーズ自体の概要スペックも明らかとなった。ピーク時の演算性能はFP4で40PFLOPSで、432GBのHBM4メモリを統合する。

ラックソリューション 次世代製品を組み合わせたラックソリューションを早くも予告
性能 Instinct MI400シリーズの仕様の概要

 AMDではInstinct MI400シリーズで一気に演算性能を引き上げ、今後もGPUアクセラレーターの性能向上に努めるという。2030年には、現在は275台超のラックシステムが必要な演算処理を1台に収めることを目指すという。

曲線 Instinct MI400シリーズで性能向上曲線が一気に加速する
曲線 2030年までに275台超のラックソリューションを1台にまとめて、電力効率を最大95%改善する計画を明らかに

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