プロナビ

AI時代にCPU/GPUで攻めるAMD NPU強化でAI PCにも注力 HPC分野では“ライバル”との協力もCOMPUTEX TAIPEI 2024(1/4 ページ)

» 2024年06月05日 00時00分 公開
[モリケンITmedia]

 6月4日、PC関連の見本市としては世界最大規模を誇る「COMPUTEX TAIPEI 2024」が開幕した。実は基調講演や報道関係者向けのイベントは前日の6月3日から行われており、その“こけら落とし”がAMDのリサ・スーCEOの基調講演だった。

 本イベントにおいて数ある基調講演の中でも、スーCEOのものは大人気で、早々と登録を締め切っていた。また、当日はあまりに混雑していたがゆえに、事前に登録している人でも会場に入れなかったとの話も聞き及んでいる。

 この記事では、基調講演後に別会場で行われた報道関係者向けイベントの取材を交えつつ、基調講演で発表された内容をチェックしていく。

みんな大好きスーCEO AMDのリサ・スーCEO(AMDによる公式配信より)
AMD台湾オフィス 報道関係者向けイベントは、AMDの台湾オフィスで行われた。同オフィスの入居する「TFC南港経貿ビル」には、MicronとHPの台湾オフィスも入居している

「Socket AM5」は2027年まで継続 「Socket AM4」にも新製品

 今回のスーCEOによる基調講演のメインテーマは「AI(人工知能)」と「ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)」である。個人的にはゲーミングがテーマに入っていないのは残念に思うものの、時代はやはりAIなので仕方のない部分もある。

 しかしコンシューマー向けの内容が全くなかったわけではない。まず、デスクトップ向けCPUの動向を見てみよう。

Ryzen 9000シリーズが普及するかどうかは価格次第?

 Socket AM5向けのCPUの新製品として、「Ryzen 9000シリーズ」が発表された。今回はモデル名に「X」の付くハイパフォーマンス製品が4種類登場している。いずれも7月発売の予定だ。

 最上位モデルの「Ryzen 9 9950X」は16コア32スレッド構成で、動作クロックは最大5.7GHzで、L2/L3キャッシュは合計80MB、TDP(熱設計電力)は170Wというスペックだ。

チップ 基調講演では、スーCEOがヒートスプレッダを取り外したRyzen 9 9950Xを手にしていた。なお、ヒートスプレッダの取り外しは保証対象外の行為となるので、ダイを見たいからといって無理に取り外さないようにしたい(AMDによる公式配信より)

 スペックだけを見ると、現行の「Ryzen 9 7950X」と同じように見えるが、CPUアーキテクチャが「Zen 5」に変更されており、Zen 4アーキテクチャの同CPUと比べて平均で16%性能が向上しているという。あまり触れられていないが、今回発表された製品には最低限のグラフィックス機能として、2コア構成のGPUコア「Radeon Graphics」も内蔵されている。

 発表ではボックス版(単体でのパッケージ製品)の想定販売価格は盛り込まれなかった。“良い感じ”の値段で出てくることに期待したい。

Ryzen 9000シリーズ Ryzen 9000シリーズは「世界最速のコンシューマーCPU」をうたう(AMDによる公式配信より)
Ryzen 9 9950X 最上位のRyzen 9 9950Xは「ゲーマーとクリエイターにとってのベスト(なCPU)」だという(AMDによる公式配信より)
展示 イベント会場にあったRyzen 9 9950Xをベースに組まれたデモPC
デモ機のスペック デモ機のスペック表示。GPU(グラフィックスカード)は「Radeon RX 7900 XTX」と組み合わせているが、チップセットなどの詳細は書かれていなかった
デモ機 多くのデモ機では、生成AI関係のプログラムが稼働していた。AI推しなので当然といえば当然かもしれない(写真は画像生成AI「AMUSE」を使ったデモ)

Socket AM4向けCPUも新登場

 今回の発表会では、Socket AM5が少なくとも2027年までは現役であることが明らかとなった。従来は「少なくとも2025年まで」と言っていたので、プラットフォームとしての寿命は2年間は延長されたことになる。

 また、スピーチではほぼ“一瞬”だったが、2016年から続く「Socket AM4」向けのCPUの新製品が登場することも明らかとなった。

 Socket AM4のCPU/APU(GPU統合型CPU)は、今までに145モデルを数えるという。「Socket AM5が登場した時点でSocket AM4は終わりかな?」とかつて思っていた筆者に、「2024年7月にSocket AM4の新型CPUが出るよ」と教えてあげたい気分だ。

 今でもSocket AM4の新CPUが出るとなると、いつSocket AM5に乗り換えればいいのか悩ましくなる面もある。しかし、古いプラットフォームを使っているユーザーに手頃なアップグレードパスを用意する姿勢は好印象だ。

ソケット Socket AM4向けの新型CPUが登場する一方で、Socket AM5は「少なくとも2027年まで」現役である旨が公表された(AMDによる公式配信から)
Socket AM4もまだ現役 イベント会場には、Ryzen 5000の新モデルの最上位「Ryzen 9 5900XT」のデモ機も展示されていた
スペック Ryzen 9 5900XT搭載デモ機の主なスペック
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月27日 更新
  1. エアコンがない部屋を冷やせる「Dreemstar 冷風扇」がセールで50%オフの9980円に (2026年07月23日)
  2. 64GBメモリ/2TBストレージ/Ryzen AI Max+ 395搭載のハイエンドミニPC「MINISFORUM MS-S1 MAX」がタイムセールで27%オフの43万2799円に (2026年07月25日)
  3. NVIDIAが次世代AI超解像技術「DLSS 5」の今秋投入を明らかに/MicrosoftとMistralが欧州におけるAI演算能力の拡大で戦略的提携を発表 (2026年07月26日)
  4. 高価なグラフィックスカードを守る「過熱保護ケーブル」に注目! 夏を乗り切るNoctua製簡易水冷も販路拡大で続々入荷 (2026年07月25日)
  5. プラネックス、10GbE接続に対応した5ポート搭載アンマネージドスイッチ (2026年07月24日)
  6. 実売2万円切りで実働10日間のバッテリー駆動! 「Amazfit Bip Max」は初めてのスマートウォッチに最適か (2026年07月24日)
  7. 鳴り物入りで登場した「Copilotキー」が早くもお蔵入りか──チャットボットからAIエージェントへの移行が示すMicrosoftの誤算 (2026年07月27日)
  8. 東レの最新カーボン技術で約999gと長時間バッテリーを両立させた“法人向けLAVIE”が登場 ブランド統一の背景とは (2026年07月23日)
  9. Arm版Windows 11は“普通”に使えるのか? 「FMV UQ-L1」で試して分かった快適さと“鬼門” (2026年07月22日)
  10. 「Windows 10 October 2018 Update」の再配信でMicrosoftが失ったもの (2018年12月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー