ここまでは“クライアント側”の話だったが、AIの利用を考えるとデータセンターやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の話も欠かせない。
今回の基調講演で、AMDはデータセンター/HPC向けの新型CPU「第5世代EPYC」を発表すると同時に、データセンター/HPC向けGPUアクセラレーター「Instinctシリーズ」のロードマップを披露した。既存のサーバ/ワークステーション向けGPU「Radeon PRO W9000」もデュアルスロットモデルも発表している。
データセンターで重要なのは、何だかんだで「CPU」「GPU」と「ネットワーク」である。AMDの製品にあてはめると、CPUはEPYC、GPUはInstinct(またはRadeon PRO)ということになる。
まずEPYCの話だが、今回投入が発表された第5世代EPYC(開発コード名:Turin)は、Ryzen 9000シリーズやRyzen AI 300シリーズと同様にZen 5アーキテクチャを採用している。最大192コア384スレッド構成と、Windows 11 Proで認識できる上限(最大128コア)を超えている。クライアント向けCPUと比べるとまさに“モンスター”という言葉が似合う構成だ。
CPUソケットは、第4世代EPYCシリーズのうち「EPYC 9004シリーズ」(開発コード名:Genoa)と同じ「Socket SP5」となる。そのため、現在EPYC 9004シリーズを使っている場合は、CPUを差し替えるだけで処理パフォーマンスが大きく向上できるという。
第5世代EPYC(Turin)は、現行のEPYC 9004シリーズと同じSocket SP5を採用する。EPYC 9004シリーズを採用するシステムなら、CPUを交換するだけでパフォーマンスを向上できる(写真はイベント会場で撮影した「EPYC 9654」)現行の第4世代EPYCシリーズは、多くのクラウドサービスベンダーに採用されいる。そこに、よりパワフルな第5世代EPYCを投入することでデータセンター/HPCでの採用促進を図る方針だ。
今回の基調講演では特に触れていなかったが、同社は最近、Socket AM5を利用する中小規模サーバ向けCPU「EPYC 4004シリーズ」も投入した。あらゆるリソースをうまく使って、ローエンドからハイエンドまで、幅広いニーズに応える方針だ。
展示されていたASRock Rack 1U4LW-B650/2L2Tには、のハイエンド製品「EPYC 4564P」が取り付けられていた。CPUソケットにRyzenのロゴが入っているのは、クライアント向けマザーボードの部品と共通化されているからだろう
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