ここからは各種ベンチマークテストで、ROG Zephyrus G16(2025)に搭載されているGeForce RTX 5070 Laptop GPUの性能を確認していこう。
比較用として、以前ベンチマークを行ったGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを搭載するROG Zephyrus G14(2025)と、その際にあわせて掲載したGeForce RTX 4070 Laptop GPUを搭載する「Dell Alienware x16」のスコアを掲載する。
CPUの違いやOS、ドライバー、ベンチマークソフトのバージョンが異なるため、あくまでも参考値としてほしい。
まずは3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」で、主要なテストを実行してみよう。今回はDirectX 12をテストする「Time Spy」シリーズと、DirectX 11をテストする「Fire Strike」、そしてレイトレーシング性能を計測する「Port Royal」を実行し、パフォーマンスのチェックを行った。結果は以下の通りだ。
ROG Zephyrus G16(2025)に搭載されているGeForce RTX 5070だが、同世代かつ上位のGeForce RTX 5070 Tiには及ばない。しかし前世代のGeForce RTX 4070 Laptop GPUと比べた場合、どのテストでも10%前後の性能向上を確認できた。
続いて実際のゲームをベースとするベンチマークソフトを実行し、ROG Zephyrus G16(2025)に搭載されたGeForce RTX 5070 Laptop GPUの性能を見ていこう。
今回テストしたのは「ファイナルファンタジー15 ベンチマーク」だ。国産ゲームタイトルとしては2025年現在も重量級のゲームであり、快適に遊ぶとなると、それなりの性能を求められる。
テストでは解像度を「フルHD」「WQHD」「4K」に、画質設定は「高画質」を選択している。テスト結果は以下の通りだ。
WQHD解像度でGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUを超える結果を出しているが、それ以外では劣っているため、ここはドライバーのバージョン違いによる誤差と考える方が自然だろう。
各GPUによる差はわずかになるが、GeForce RTX 5070 Laptop GPUは比較の中では平均で2位に位置し、順当に世代とグレードの順に素直に並ぶ結果となった。
しかし、特に差が開いたのが4K解像度だ。この差については次のテスト結果で考察したい。
現在、ゲーミングPCの購入や買い替えの動機になることが多いゲームタイトルといえば「モンスターハンターワイルズ」だろう。
国産タイトルかつ歴史の長いシリーズの最新作とあり、いまだに注目度は高く、今後も強力なモンスター、難易度の高いクエストの追加が予定されているため、既にプレイ中の人であってもアップデートに向け、PCのアップグレードを検討する人も多い。
こちらはベンチマークのリリースのタイミングの都合、ROG Zephyrus G16(2025)とROG Zephyrus G14(2025)のテスト結果で比較を行っていく。
ベンチマークソフトの設定はDLSSによるフレーム生成あり、画質設定はウルトラで、ディスプレイ解像度は1920×1200ピクセル、2560×1600ピクセルで実施した。結果は以下の通りだ。
フルHD+であれば、GeForce RTX 5070 Laptop GPUも平均フレームレートで60fps以上、つまり家庭用のゲームコンソールに多い最大60fpsといった上限フレームレート以上のフレームレートを出しているため、ゲーミングPCに期待する「ゲームコンソール以上に滑らかな映像とゲーム体験」を得られる。
しかし、WQHD+では上位のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUがフルHD+と同様の結果を残せている中、GeForce RTX 5070 Laptop GPUではガクッとスコアが落ちてしまっている。
モンスターハンターワイルズのベンチマークでは、ベンチマークの設定を行う際に「ビデオメモリが不足する可能性」を警告してくれる親切な機能がある。
今回、ROG Zephyrus G16(2025)ではWQHD+かつ画質設定でウルトラを選択すると、この警告が出てしまい、実際にベンチマークテストを実行すると上記の通り、良好な結果を得ることができなかった。
GeForce RTX 5070 Laptop GPUのビデオメモリ容量は8GBであり、GeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUは12GBと、1.5倍も多い。
高解像度かつ高画質の設定ともなると、読み込まれるグラフィックデータの容量は大きくなるため、重量級のゲームタイトルの画質を高くするとビデオメモリ不足に陥ってしまうようだ。
先ほどFINAL FANTASY 15のベンチマークテストでも、4K解像度ではGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUとの差が大きく開いていたのも、ビデオメモリ不足が原因だと考えている。
では違う重たいゲームタイトルではGeForce RTX 5070 Laptop GPUの性能はどうだろうか。重量級ゲームタイトルの定番となるサイバーパンク2077で、ゲーム内に設けられたベンチマーク機能を使ってテストを行った。
テストにおいては、グラフィックプリセットは最も重たい「レイトレーシング:オーバードライブ」を選択した。解像度はフルHDとWQHDを選択し、DLSSによる超解像スケーリングとフレーム生成のオン、オフの両方でフレームレートの計測を行った。結果は以下の通りだ。
DLSSの効果は大きく、高画質設定かつ高解像度でもそれなりに遊べるフレームレートが出た。
WQHD解像度では少し映像がカクつくシーンもあったが、実際に遊ぶのであればもう少し軽い設定を選べば問題なく、モンスターハンターワイルズのように大きくVRAMが不足し、上位モデルと比べ動作が緩慢に感じてしまうようなこともないだろう。
実際、ここまでのいくつかのテストでの差を考えると、GPU性能そのものは上位と比べ大きく劣るわけではない。ビデオメモリを大量に消費するようなゲームでは差が大きくなってしまうことだけ覚えておくといいだろう。
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