といった具合に、アプリ上でボタンの割り当てを行っておけば、本体側のボタンを用いて家電製品を操作できるのが本製品の売りなのだが、使いやすいかというと話は別だ。むしろ全く逆で、かなり面倒というのが率直な印象となる。
理由は明白で、1つの家電製品を操作するだけで、表面を軽く触れるタッチ操作と、物理的に深く押し込むボタン操作、さらにはジョグダイヤルを回す操作、ジョグダイヤルの中央を押し込む操作と、インタラクションが異なるボタンが混在しており、それらを連続して操作しなくてはいけないからだ。
これがスマホの物理ホームボタンのように、節目のタイミングでしか押さないのであれば、タッチと物理ボタンが混在していてもシームレスに扱えるのだが、本製品は頻繁に行ったり来たりを強いられる。しかも、タッチボタンについては画面そのものはタッチに対応しておらず、画面に表示されたアイコンを参照しつつ下段をタップする形になるため二重にややこしい。
従来モデルに当たる「SwitchBot ハブ2」もこれに似た、本体側で家電製品を操作できるボタンが搭載されていたが、こちらは登録できる家電製品は1つだけで、操作も電源オン/オフに限定されていたため、迷うことはなかった。同時に、ボタンの種類もタッチ操作一択なので違和感もなかった。
しかし本製品は複数の家電製品を選択でき、オンとオフ以外にもさまざまな操作に対応している。何でもできるようになったおかげで複雑さは桁違いで、ある時はタッチしたり、ある時は深く押し込んだりと、種類の違うボタンを行ったりきたりする必要がある。ユーザビリティー的には混乱が避けられない。
実はこの問題は同社の「学習リモコン」にも存在しており、筆者はあまりの使いづらさに数回試してすぐに投げ出してしまったのだが、本製品はそれらを悪い意味で継承している。物理ボタンかタッチか、どちらか一方に寄せれば、こういった問題はなかったはずなのだが、どっちつかずになっているせいで、非常に扱いづらく感じる。
本製品はスタンド、もしくは壁面に取り付けて使うデバイスであり、リモコンのように手で持って操作するデバイスではないので、物理ボタンであれタッチ操作であれ、正確に押すのが難しい。そのため薄暗い部屋の中で手探りで操作するのはまず不可能で、本体としっかり向き合って、画面を見ながら呼び出し、ボタンの役割を確認しながら操作せざるを得ない。
このあたり、「できること」だけ書き出せば夢のようなデバイスなのだが、実際に使った印象はそうではない。最初は感心しつつ使っていても、その面倒さゆえ、徐々に使わなくなってくるパターンは多いように思う。
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