以上、本製品を2カ月に渡って使ってみたが、この間、本製品に対する筆者の評価は二転三転しており、この原稿もそのたびに書き直して今日に至っている。最終的には電源オン/オフを中心に使えば、そこそこ使えるという評価に落ち着いたが、「期待しすぎるとガッカリする」「あまり期待しなければそれなりに便利」が、1つの製品の中に同居している印象だ。
同社の製品によく見られる傾向だが、製品ページでの「このようなことができます」というお題目は非常に立派で、購入を考えているユーザーへの訴求力は高い一方、実際に使ってみると制限も多く、首をかしげることも多い。本製品のジョグダイヤルが典型例だが、「そんなこともできるんだ! すごい!」という機能が、必ずしも日常で快適に使えるわけではないことを改めて考えさせられる。
改めてSwitchBotアプリのホーム画面からの階層を見ていこう。「ハブ3」と表示されているのが本製品だ。これをタップして開く(左)。温度/湿度/照度レベルといった、本体画面とほぼ同じ内容が表示されている。その下には本製品に登録済みの家電製品が並ぶ(中央)。家電製品をタップして開くと、操作インタフェースが表示される。本体ボタンに割り当てた機能を含む全機能が表示される(右)
こちらは設定画面。今回は使用していないが、音やアラーム回りの設定、さらに休止期間の設定も行える。操作履歴もここから表示できる(左)。温度/湿度などをトリガーとしたアラートも設定できる。スマートリモコンというより、温湿度計にひもづく機能だ(中央)。本体パネルがまぶしければ、夜間は消灯させることもできる(右)とはいえ、本製品が多機能なことに変わりはないので、スマホアプリもしくはスマートスピーカーと連携しての家電製品の操作を中心にしつつ、有事の時に利用できるバックアップリモコンとして待機させておくのは悪くない。
少なくとも、スマートリモコンとして見た場合に機能が決定的に不足しているわけではないため、そうした部分での心配はいらない。
ただし、登録した本人がどの機能をどこから呼び出せばよいか分からなくなる程なので、家族での共用はかなり難易度が高いように思う。従来のハブ2であればこのあたりギリギリ踏みとどまっていたのが、本製品では振り切ってしまっている印象だ。家族で使う場合、このあたりも差し引いて考える必要はあるかもしれない。
実売価格は1万6980円で、そこに割引が入って実際には1万円台前半といったところだろうか。スマートリモコンとしてはかなり高価ゆえ、コスパを優先するのであれば、1万円を切っている従来のハブ2も、また付加価値が不要ならば最近木目モデルも追加されたノーマルモデルの「ハブミニ」も検討すべきというのが、本稿の結論だ。
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