初めて触れたPCは、兄が所有していたPC-98シリーズだと思うが、確証はない。ただ、FDD(フロッピーディスクドライブ)を搭載しておらず、外付けのカセット式テープレコーダーにデータを保存するという方式であった。好きな曲の主旋律をキーボードで入力していき、保存し、再生するという遊びをしていたことから、それだけは覚えている。
やがて世の中はWindows 95ブームになっていった。「これまでのOSと異なり、誰でも簡単にPCを使える!」「インターネットが全ての人のものに!」といった宣伝文句で盛り上がっていた。
当時働いていた会社でも、「ワープロだけじゃなくて、PCも扱えるようにならないとね」という風潮が見られ、個人でWindows PCを買う人がちらほらと出てくるようになった。
筆者もすぐに使いこなせるように、初心者向けのPC雑誌を毎月数冊購入して読みあさっていた。
そして、ついにその時が来た。買うならこれ、と決めていた「Macintosh Performa 5440」を購入したのだ。1996年11月のことだ。
「え? Windows 95が流行っていて、その勉強をしていたのではないの?」と不思議に思われるかもしれないが、Windows系の知識を蓄えていたのは、基礎知識として、または社内でPCに関する質問に答えられるようにするためだ。
個人的には作曲したりイラストを描いたりしたかったので、個人的には「買うならMacintosh、しかもBLACK Performaの2代目」と決めていたのだ。才能がないので、どちらもかなわなかったが。
購入当初はインターネットではなく、ワープロでアクセスしてコミュニティーを築いていたNIFTY-Serveに接続してネットライフを楽しんでいた。しかし、3カ月もしないうちにインターネットプロバイダーと契約し(もちろんプロバイダーは@nifty)、日本上陸前夜の無料のWebサイトスペース提供サービス「GeoCities」(ジオシティーズ)でスペースを借り、自分だけの“ホームページ”を作成するようになっていた。
お金のある人たちはホームページをWYSIWYGで作成できるソフトウェア「IBM ホームページ・ビルダー」を買っていたが、筆者はPerformaとプリンタを買ってすっからかんになってしまっていたので、「HTMLタグ大全」のような本を買って、タグを手打ちしていた。インプレスの「作ろう! 魅せるホームページマガジン」にはかなりお世話になった。
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