Neowinによれば、Microsoftは6月に他のアップデートに紛れて「KB5001716」をWindows 10/11に配信していたという。
ドキュメントを読めば分かるが、このアップデートが最初に提供されたのは約1年前で、日本語の解説ページには次のように書かれている。
簡単にいえば、当該バージョンのサポートが終わった段階で、自動的に最新バージョンへとアップデートする仕組みだ。ターゲットとなっているのが2021〜2023年あたりのWindowsバージョンということからも分かるように、古いバージョンのシステムを半強制的にアップデートするのが狙いで、これまでにもたびたび導入が判明すると「余計なことはするな」的に指摘されてきたものでもある。
この更新プログラムをインストールすると、現在インストールされている Windowsバージョンのサポートが終了した場合、Windowsはデバイスに機能更新プログラムのダウンロードとインストールを試みる可能性があります。機能更新プログラムは、新しい機能を提供し、デバイスのセキュリティを維持するのに役立ちます。
この更新プログラムがインストールされた後、Windowsは定期的に通知を表示して、Windows Updateがデバイスを最新の状態に保ち、現在の脅威から保護できなくなる可能性がある問題を通知します。たとえば、現在デバイスがサポート ライフサイクルの終了に達したバージョンの Windowsを実行していること、またはデバイスが現在インストールされているバージョンの Windowsの最小ハードウェア要件を満たしていないことを通知する通知が表示される場合があります。
Neowinによれば、このドキュメントは同誌が指摘してから間もなく変更が加えられたようで、一部の文章が削除されているという。
実際、本記事では英語版と日本語版の2つの解説ページへのリンクを掲載しているが、修正が行われているのは英語版のみで、実は日本語版の方は修正が行われておらず、上記の2つの項目のうち、削除された前半部分がそのまま残っている。
差分を考察すると、本来は半強制アップデート機能の説明が行われていたものが、文章の削除により、通知のみを行う機能のアップデートに変更されていることが分かる。本当のところ、「KB5001716」が実際にどのような機能を現時点で持っているのか不明なのだが、興味深い変更だ。
今後、10月のWindows 10 EOSに向け、さらにいろいろなドキュメントや情報が出てくると思われるが、おそらくはその多くが「なぜWindows 11に移行すべきか」といった軸を中心に説明が行われるのだろう。
他方で、Microsoftが新進気鋭の事業者として最近プッシュしている「AI」についてはその限りではないようで、例えば先日Edgeブラウザに追加されたばかりの「Copilot Mode」は、Windows 11とmacOSのみならず、Windows 10のEdge上でも動作し、特にサポート対応などについても触れられていない。
Copilot+ PCのようにハードウェア依存機能を持つ仕組みの場合はさすがにWindows 11+最新PCが必要となるが、クラウド経由で利用するクラウドサービスの場合はその限りではないようだ。この点は興味深い。
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