ここからは、D4 SSDの仕様をもう少し詳しく確認していこう。
本製品に搭載できるM.2 SSDは、以下の要件を全て満たす必要がある。
本製品はUSB4 Version 1.0でPCと接続することになるが、同規格はPCI Express 3.0 x4相当、つまり最大40Gbps(理論値)での通信に対応する。そのこともあり、本製品では1基当たりのアクセス速度が最大で4分の1(PCI Express 3.0 x1相当)に低下する。この点には注意が必要となる。
また、最近のSSDはPCI Express 4.0 x4対応のものが多いが、同規格のM.2 SSDを本機に装着すると、パフォーマンスをフルに生かせない恐れもある。「そこそこ高速で手頃な大容量ストレージを作るためのデバイス」と考えると良いだろう。
M.2 SSDは1スロット当たり最大8TBまで搭載可能で、4スロットで最大32TB(8TB×4)となる。先述の通り、ソフトウェアRAIDを使えばRAIDストレージとして運用することもできるが、本製品はあくまでも「SSDケース」だ。本体にRAID機能を備えているわけではないことには注意したい。
D4 SSDのサイズ感は「3.5インチの外付けHDDより小さく、2.5インチの外付けHDDより大きい」という感じだ。比較対象として3.5インチHDDを最大2台搭載できるNASと比べてみたが、PC周辺に設置してもそこまで邪魔になるサイズ感ではないことがわかるだろう。
ボディーは樹脂製で、SSDを搭載する際は背面のハンドスクリューを1本外すだけでスロットにアクセス可能だ。底面には吸気ファンが設けられているが、搭載するSSDに取り付けるヒートシンクなどは付属していないため、発熱が心配なら別途用意するといいだろう。
M.2 SSDの取り付けは、多くのPCと同様にビスを使って固定する方式だ。最近の自作PC向けのマザーボードやSSDケースに増えてきた、ラッチなどを採用したツールレス仕様とはなっていない。頻繁に交換を行うわけではないなら支障はないだろう。
本製品は、あくまでも“SSDケース”なので、PCと接続して初めて機能する。インタフェース類はUSB4端子と電源端子のみとシンプルだ。
電源は付属のACアダプターを利用して供給する。アダプターは非常にコンパクトなので、デスク回りに設置してもそこまで邪魔になることはない。
ケース底面には吸気ファンが2台用意されている。実際に使ってみた限りにおいて、サーマルスロットリング(発熱抑制を目的とする意図的な性能低下)は見られなかったので、ヒートシンクなしでも問題なく運用できそうだが、より安心したい場合はヒートシンクを用意するかヒートシンク付きのSSDを使うといいだろう
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