―― 現時点での影響はどうですか。
挽野 コーエンは記者会見だけでなく、主要な取引先を訪問し、直接説明も行いました。取引先各社には理解して安心してもらい、ビジネスを継続してもらっています。また、3月はルンバユーザーや購入を検討していたお客さまからコールセンターに問い合わせがあったり、販売店店頭でも心配する声があったりしましたが、それもかなり落ち着いてきています。疑念は払拭されたと思っています。
―― アイロボットでは、新たなキーワードとして「ELEVATE(エレベート)」をグローバルで掲げています。この狙いについて、コーエンCEOは「業績改善のために、ありとあらゆるものをエレベート(向上)する」とコメントしています。これは成長戦略ですか、それとも変革や再生戦略を指しますか。
挽野 これは両方を指します。今のアイロボットに求められているのは、変革しながら成長することです。製品開発の方法を変え、よりよいモノを、より迅速に市場に出していくことは大きな変革ではありますが、それだけでなく、しっかりとお客さまに届けて販売を拡大するということもセットで考えています。
―― この成果は、どんな指標で推し量るのですか。
挽野 社内には売上高や利益など、さまざまな経営指標がありますが、その他にも新製品の投入サイクルが年1回だったものを半年に1回にするとか、製品を使っていただいたお客さまの評価レビューを分析し、それを重視するといったことも行います。ただ、目指す指標は対外的には公開していません。
―― 日本におけるELEVATEのポイントは何ですか。
挽野 日本の場合は、これまでにやってきたことを、より強化していくことになります。アイロボットジャパンでは2030年までに、国内掃除機市場全体の5台に1台をロボット掃除機にすることを目標に掲げました。これも、日本における「ELEVATE」の取り組みの1つとなります。グローバルのELEVATEの取り組みによって生まれたより良い製品をお客さまに届けることで、より多くの人に使ってもらうことが、日本における“ELEVATE”になります。
※近日公開の後編に続く。
iRobotコーエンCEOが来日 ロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」の新ラインアップを紹介 企業継続への不安は「心配無用」とアピール
アイロボットがロボット掃除機「ルンバ」新モデル6機種を一挙投入
アイロボットのロボット掃除機「ルンバ」の新型が好調な売れ行き その理由を解き明かす
たくさん働いてくれたロボット掃除機に感謝とお別れを――アイロボットジャパンが神田明神で「ルンバ感謝祭」を開催
新「FMV」に込めた不退転の決意 学生から「パソコンはいらないよ」と言われても王道を行く理由 FCCLの大隈社長に聞くCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.