ASUS JAPANが8月29日、NVIDIAのGPU「GeForce RTX 5080」を搭載するグラフィックスカードの新製品「ASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Edition(RTX5080-O16G-NOCTUA)」の国内販売を開始した。想定実売価格は27万3800円となっている。
名前の通り、本製品はオーストリアの冷却パーツメーカー「Noctua(ノクチュア)」との共同開発モデルで、2021年に登場した「ASUS GeForce RTX 3070 Noctua OC Edition 8GB GDDR6」から数えて5製品目となる。
本製品自体は、5月に台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2025」で披露され、ASUS JAPANが国内で行ったイベントなどでも展示されていた。発売を心待ちにしていた人も多いだろう。
この記事では、ASUS JAPANから借りたサンプルを使って本製品の“実態”に迫る。
GeForce RTX 50シリーズは、全体的に前世代の「GeForce RTX 40シリーズ」からパフォーマンスが大きく向上している。その影響もあって、特に上位モデルの特に上位の「GeForce RTX 5090」やGeForce RTX 5080は消費電力が大きくなり、発熱もしやすくなっている。
GeForce RTX 5080の製品情報から仕様を確認してみると、オーバークロック(OC)のない定格仕様(≒Founders Edtion)でもGPU温度は最大88度、消費電力(TGP)は最大360Wとなっており、十分な性能を発揮するにはしっかりとした冷却性能を備えるクーラーと、高出力の電源ユニットが必要だ。
もちろん“冷やす”だけなら、ファンの数を増やしたり回転数を上げればいい。しかし、そうすると今度はカードサイズが大きくなり、高負荷時の動作音が大きくなってしまう。快適にゲームを楽しむのに音がうるさくなるのも、ちょっと“何だかなぁ”という気分だ。
そこで各メーカーは、十分な冷却性能と静音性を両立できるオリジナルクーラーを開発し、ハイエンドGPUと組み合わせたグラフィックスカードを投入している。今回紹介するASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Editionも、その流れに乗ったモデルといえる。
コラボパートナーであるNoctuaは元々、高い冷却性能と静音性を備えるケースファンやCPUクーラーで定評がある。今はCPUよりも発熱しやすいGPUを効率良く冷やし、性能を発揮(維持)しやすくするなら、これほどまでに頼もしいパートナーはいないだろう。
そんな本製品だが、過去のASUS×Nocturaコラボモデルと同様に、GeForce RTX 5080を採用するグラフィックスカードとしてはとても巨大だ。もっというと、過去のコラボモデルよりもさらに大きい。
具体的な寸法は約151(幅)×385(長さ)×80(厚さ)mmで、厚さは約4スロット分あり、長さもなかなかのものだ。ここまで来ると、入れるケースも結構選ばなければならないだろう。ケースの内部構造物はもちろん、他のパーツ類との干渉に気を遣う必要がある。エアフローの確保も課題となるかもしれない。
……と、皆さんの中には「何で今までよりさらにデカくするんだ?」と疑問を抱く人もいるだろう。理由はシンプルで、ファンを2基から3基に増やしたり、ベイパーチャンバーベースと11本のヒートパイプを組み合わせたヒートシンクを備えたりと、グラボを徹底的に冷やすことに“全振り”した設計となっているからだ。
搭載されているファンは、Noctuaの新世代ファンの1つ「NF-A12x25 G2」だ。従来モデルよりも風量/冷却性能を向上しつつも、さらなる静音化を果たしており、1基では公称で22.5dBAと「ささやき声くらいの音の大きさ」しか出ない。高負荷状態でファンがフルに回っている状態でも、あまり気にならない。
グラフィックスカードとしての本製品は、名前に「OC」とある通りオーバークロック対応品だ。ブースト時の動作クロックは、定格の最大2.62GHzから最大2.7GHz(OC Modeで2.73GHz)に引き上げられている。GPU用補助電源は新規格の「12VHPWR」で、旧規格用の「8ピン×3」の変換アダプターも付属する。
映像出力端子はDisplayPort 2.1b×3、HDMI 2.1b×2という構成で、標準と比べるとHDMIが1基多い。ただし、これらのうち使える出力端子は最大4基となる。
ASUS、Noctua製ファンを標準搭載したコラボ仕様のGeForce RTX 5080グラフィックスカード
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