ASUSの“Noctuaファン搭載”GeForce RTX 5080グラボを試す よく冷えて静かだが気になる所も(1/2 ページ)

» 2025年09月01日 11時30分 公開
[迎悟ITmedia]

 ASUS JAPANが8月29日、NVIDIAのGPU「GeForce RTX 5080」を搭載するグラフィックスカードの新製品「ASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Edition(RTX5080-O16G-NOCTUA)」の国内販売を開始した。想定実売価格は27万3800円となっている。

 名前の通り、本製品はオーストリアの冷却パーツメーカー「Noctua(ノクチュア)」との共同開発モデルで、2021年に登場した「ASUS GeForce RTX 3070 Noctua OC Edition 8GB GDDR6」から数えて5製品目となる。

 本製品自体は、5月に台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2025」で披露され、ASUS JAPANが国内で行ったイベントなどでも展示されていた。発売を心待ちにしていた人も多いだろう。

 この記事では、ASUS JAPANから借りたサンプルを使って本製品の“実態”に迫る。

ASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Edition ついに国内でも8月29日に発売された「ASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Edition」

驚異の“4スロット厚” ファンは3基構成

 GeForce RTX 50シリーズは、全体的に前世代の「GeForce RTX 40シリーズ」からパフォーマンスが大きく向上している。その影響もあって、特に上位モデルの特に上位の「GeForce RTX 5090」やGeForce RTX 5080は消費電力が大きくなり、発熱もしやすくなっている

 GeForce RTX 5080の製品情報から仕様を確認してみると、オーバークロック(OC)のない定格仕様(≒Founders Edtion)でもGPU温度は最大88度、消費電力(TGP)は最大360Wとなっており、十分な性能を発揮するにはしっかりとした冷却性能を備えるクーラーと、高出力の電源ユニットが必要だ。

 もちろん“冷やす”だけなら、ファンの数を増やしたり回転数を上げればいい。しかし、そうすると今度はカードサイズが大きくなり、高負荷時の動作音が大きくなってしまう。快適にゲームを楽しむのに音がうるさくなるのも、ちょっと“何だかなぁ”という気分だ。

仕様 GeForce RTX 5080は、定格仕様でも発熱や消費電力も大きめだ

 そこで各メーカーは、十分な冷却性能と静音性を両立できるオリジナルクーラーを開発し、ハイエンドGPUと組み合わせたグラフィックスカードを投入している。今回紹介するASUS GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 Noctua OC Editionも、その流れに乗ったモデルといえる。

 コラボパートナーであるNoctuaは元々、高い冷却性能と静音性を備えるケースファンやCPUクーラーで定評がある。今はCPUよりも発熱しやすいGPUを効率良く冷やし、性能を発揮(維持)しやすくするなら、これほどまでに頼もしいパートナーはいないだろう。

 そんな本製品だが、過去のASUS×Nocturaコラボモデルと同様に、GeForce RTX 5080を採用するグラフィックスカードとしてはとても巨大だ。もっというと、過去のコラボモデルよりもさらに大きい

 具体的な寸法は約151(幅)×385(長さ)×80(厚さ)mmで、厚さは約4スロット分あり、長さもなかなかのものだ。ここまで来ると、入れるケースも結構選ばなければならないだろう。ケースの内部構造物はもちろん、他のパーツ類との干渉に気を遣う必要がある。エアフローの確保も課題となるかもしれない。

 ……と、皆さんの中には「何で今までよりさらにデカくするんだ?」と疑問を抱く人もいるだろう。理由はシンプルで、ファンを2基から3基に増やしたり、ベイパーチャンバーベースと11本のヒートパイプを組み合わせたヒートシンクを備えたりと、グラボを徹底的に冷やすことに“全振り”した設計となっているからだ。

 搭載されているファンは、Noctuaの新世代ファンの1つ「NF-A12x25 G2」だ。従来モデルよりも風量/冷却性能を向上しつつも、さらなる静音化を果たしており、1基では公称で22.5dBAと「ささやき声くらいの音の大きさ」しか出ない。高負荷状態でファンがフルに回っている状態でも、あまり気にならない。

3連ファン 本製品はNoctuaの新世代ファン「NF-A12x25 G2」を3基搭載している。Noctuaの特徴であるブラウンをあしらったデザインが目を引く
バックプレート バックプレートもNoctuaブラウンだ
よく冷える 側面から見るとヒートシンクの密度やヒートパイプを確かめられる。冷却に“極振り”していることが分かりやすい

 グラフィックスカードとしての本製品は、名前に「OC」とある通りオーバークロック対応品だ。ブースト時の動作クロックは、定格の最大2.62GHzから最大2.7GHz(OC Modeで2.73GHz)に引き上げられている。GPU用補助電源は新規格の「12VHPWR」で、旧規格用の「8ピン×3」の変換アダプターも付属する。

 映像出力端子はDisplayPort 2.1b×3、HDMI 2.1b×2という構成で、標準と比べるとHDMIが1基多い。ただし、これらのうち使える出力端子は最大4基となる。

補助電源 補助電源ピンは12VHPWR規格で、旧規格を使う場合は付属のアダプターで「8ピン×3」に変換する必要がある
分厚い 映像出力端子は、標準比でHDMIが1基多い。それにしても、厚さと幅が半端ないことがよく分かる
銘板 クーラー部には、ASUSとNoctuaの共同開発を示すロゴの銘板もある
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