普段、PCを利用しているシーンを想像してみてほしい。「Googleアカウント」でYouTubeにログインして動画を視聴したり、ECサイトで買い物をしたり、オンラインバンキングを利用して振り込みを行ったり、スマホで撮影した家族写真をPCに保存したりすることもあるだろう。
こうして例示してみると分かるが、各種サービスのアカウント情報や写真など、PCでは個人情報につながる大切なデータを取り扱っている。そんなPCにセキュリティー上の欠陥が見つかり、それを突いて外部から攻撃されてしまうと、どのようなことが起こるだろうか。
大切なデータが流出するだけでなく、場合によっては「ランサムウェア」で“人質”に取られる可能性もある。場合によっては、金銭的な損失を被ることも大いにありうるのだ。
家でも仕事でも、PCの利用が欠かせなく、ある意味で便利な世の中になった。しかし裏を返して悪意のある攻撃者の目線に立つと、企業だけでなく個人のPCも金銭を得るための“金づる”(攻撃対象)なった、ともいえる。
そんな背景に加えてWindows 10のEOSが近づいていることもあってか、情報処理推進機構(IPA)も2024年10月(EOSの約1年前)からWindows 10のサポート終了に伴う注意喚起を行っている。
その中で、IPAはOSのセキュリティ上の欠陥、いわゆる「脆弱(ぜいじゃく)性」について触れている。IPAによると、2025年6月末時点で悪用例があるWindows OSのセキュリティ上の欠陥が41件も登録されているという。
OSのサポート期間内であれば、Microsoftが「Windows Update」などを通して修正パッチを公開し、欠陥を解消してくれる。しかし、OSのサポート期限が切れると、修正パッチが原則として配信されなくなる。言い方を少し変えると、欠陥が見つかっても直してもらえなくなる。
自分の“身”を守るためにも、Windows 10のサポート期限が切れる前に「Windows 11」への乗り換えは必要な措置ということになる。
今回はWindows 10がEOSを迎えると、どのような影響が発生するか解説してきた。次回はサポート期限が切た場合の対処法を解説する。この記事でまず現状を把握いただき、次回以降の記事で対策を実施してもらえれば幸いだ。
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