ここからは、Windows 11へのアップグレード方法を確認していく。
Windows 11の動作必須要件を全て満たしているWindows 10 PCであれば、Windows Updateを使ってアップグレードする方法が一番手っ取り早い。
スタートメニューから「設定(歯車アイコン)」→「更新とセキュリティ」と進むと、Windows Updateの画面となる。そこに「Windows 11, version 24H2の準備ができました ―しかも無料です!」と表示されている場合は、「ダウンロードしてインストール」をクリックすればアップグレードが始まる。
なお、PCの状況にもよるが、Windows 11へのアップグレードには最大で40分ほどかかる。アップグレードは、時間にある程度余裕があるときに実行してほしい。また、アップグレードの途中で数回再起動も行われるため、編集中のファイルがある場合は、事前に保存しておこう。
先述の画面が表示されない時は、更新の確認を行うことで出てくることがある。数回繰り返しても表示されない場合は、次に紹介する方法を試してほしい。
Windows Updateにアップグレードに関する画面が出てこない場合は、「Windows 11インストールアシスタント」をダウンロードして実行するとアップグレードが可能だ。
ただし、使っているPCのハードウェアまたはソフトウェアに互換性の問題が発生しており、それがPCの動作に深刻な影響を与えうるものであると「セーフガードホールド」という仕組みでアップグレードが阻止(中断)される場合がある。セーフガードホールドに関する警告が出た場合は、ハードウェアまたはソフトウェアの販売者/開発者からの情報に従って対処しよう。
先に紹介したPC正常性チェックだが、必須要件を満たしていない項目のうち「!」マークが付いているものは設定変更などで対処できる可能性が高い。一方で、赤い「×」印の警告が表示される項目は、設定の変更だけでは対処できない。
例えばCPUでは物理コアが2基以上必要だが、物理コアが1基の場合はどうやっても要件を満たせない。自作PCのように一部パーツを交換すればスペックをアップグレードできる場合はパーツ交換だけで済むものの、メーカー製PCを利用している場合、そのような対処はなかなかに難しい。
もっというと、Windows 11の必須要件を満たせないPCは、ごく一部の長期供給モデルを除いて発売または購入から少なくとも7年以上は経過している。利用状況に左右はされるが、いつ壊れてもおかしくない時期にさしかかっている。
多くのPCメーカーでは、Windows 10のEOSを意識した低価格PCを用意したり、PCの値引き/特典付与のキャンペーンを展開していたりする。「低価格PC」でも7年前のPCよりも性能は高いことがほとんどなので、無理に古いPCを使い続けるよりも素直に買い換えてしまった方が良いことも多い。
とはいえ、何らかの理由で「今すぐに買い換えられない!」という人もいるだろう。次回は、Windows 10のEOSまでにPCを買い換えることが難しい人に向けた対応策を紹介する。
「Windows 10のサポート期限終了」は何を意味するのか? 改めて確認しよう!
Windows 10のサポート終了まで半年弱 手持ちのWindows 10 PCを「Windows 11」にアップグレードする条件と方法をチェック!
Windows 11“25H2”は提供に向けた最終ステージへ
なぜMicrosoftはWindows 10→11移行を急ぐのか
Windowsの「Microsoft Defender」が一部アプリの起動をブロックする可能性 「Winring0ドライバ」の脆弱性が原因(リスクを受容すれば回避策あり)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.