「AirPods Pro 3」の魅力は「ライブ翻訳」だけではない! 実機を試して分かった買うべきユーザー(2/3 ページ)

» 2025年09月15日 21時00分 公開
[林信行ITmedia]

音の世界が一段階上昇

 音質も大きく向上した。もちろん、これはどんな曲を聞くかによっても体感値が変わる。

 ディストーションギターの音などが響くロック系の曲などを数曲聴き比べた範囲では、確かに違いはありそうだが、そこまで明確な違いを言い当てることはできなかった。

 そもそも、本当に音の違いを聞き分けるなら録音やミックス段階の音がいいものを選ぶ方がいいだろう。ということで、Apple Musicではハイレゾロスレスフォーマットで、Dolby Atmosにも対応したお気に入りを選んだ。スパニッシュギターのティーボ・ガルシアの演奏と、カウンターテナーのフィルップ・ジャルスキーの声だけのシンプルな構成のアルバム「A sa guitare」から、「In Darkness Let Me Dwell」を再生して比較した。

 すると、ガルシアの指がスパニッシュギターの弦の上を擦る時の音がより明瞭に聞こえ、ジャルスキーのカウンターテナーの高い声が「え!? これ本当にインイヤーのイヤフォンの音?」と驚かされるほど澄んで響いて聞こえた。

 これを聞いた後、AirPods Pro 2で同じ曲を聞いたところ、かなり音が曇るのを感じ、ハッキリと音質が違うのを実感できた。

 続いて、もっと音数の多いオーケストラもので、ハイレゾロスレスでDolby Atmosの音源はないか探したところ(意外に少ない)、チャールズ・マッケラスが指揮するスコットランド室内管弦楽団のアルバム「Mozart Symphonies Nos.38-41」をApple Music Classicalで見つけた。

 初めて耳にするアルバムだが、なじみあるモーツァルトの交響曲第38番番ニ長調 K.504で聞き比べた。AirPods Pro 3も2も、どちらもクリアさはあるが、やはりAirPods Pro 2は間に何か1枚挟んだような距離を感じ、 AirPods Pro 3の方が確かに明瞭で、それぞれの楽器の音も解像感が上がっている印象を受けた。

Apple AirPods Pro 3 完全 ワイヤレス イヤフォン リアルタイム 翻訳 IP57 ロックなどではあまり違いが分からない曲もあったため、ハイレゾオーディオでDolby Atmosにも対応したギター+カウンターテナーのアルバム「A sa guitare」(ティーボ・ガルシアとフィリップ・ジャルスキー)で聞き比べたところ、明瞭な違いを確認できた

 正直、オーディオの専門家ではないため、おそらく単体で聞かされたら、個人的にはAirPods Pro 2の音でも満足してしまう。それにロックやポップス系の曲では、そこまで自信を持って音質の違いを言い当てることはできなかった。

 しかし、高音質な音源で聞き比べれば、専門家でなくても明瞭に音質の差を感じ取ることができる。これが筆者の素直な音質差の感想だ。

 ちなみに音質向上は「マルチポートアコースティックアーキテクチャ」という新設計――要するに空気の抜け道を見直して再設計したことで実現したようだ。

ノイズキャンセリングは劇的に向上

 音質の違いに鈍感な人でも、明らかに違いが分かるのはアクティブノイズキャンセリング(ANC)の性能向上だ。

 AirPods Pro 2と比べて2倍、初代AirPods Proと比べると4倍と性能向上がかなり大きい。製品発表会直後、100人以上の記者たちが実機を試すことができるSteve Jobs TheaterでAirPods Pro 3を渡され、音楽の試し聞きを促された。しかし「音が小さすぎて聞こえない。これじゃあ、試聴になっていない」と係員に伝えると、「ノイズキャンセルをオンにしてごらん」というので指示に従ったら、周囲の騒音がサーッと消えて、アカペラで歌う極めてひそやかな歌声が聞こえてきた時には感動した。

アクティブノイズキャンセリングの性能差は、初代比で4倍、AirPods Pro 2でも2倍とかなり大きい

 もちろん、安全性を考慮して完全に周囲の音が聞こえないというわけでもなく、この原稿を書いている時のキーボードのタイプ音など聞こえるべき音(!?)はちゃんと(かすかに)聞こえている。

 「あれ? ANCが効いていない?」と思って、機能を切った途端、実は冷房の送風音が結構大きかったこと、そして約5m離れたTVでカーリング女子五輪最終予選を映すTVがつけっぱなしだったことに気が付いた。TVの音が全く聞こえなくなるわけではなく、人の話し声だけはかすかな音量で聞こえ続けるが、それ以外の音はほぼ抑えられている。

 ちなみにANCの性能向上には、イヤーチップ変更で、より耳の密閉度が高まったことも大きく貢献しているようだ。

 それにも関わらずバッテリー性能も向上しているようで、これは検証はしていないが、Appleの公称値では、ANCオンで最大8時間(従来比33%増)、Hearing Aid機能利用時には10時間(67%増)の連続使用が可能とのことで、これもうれしいポイントだ。

 こちらも勇気が足りず(評価機を壊してしまう可能性もあるため)検証できなかったが、個人的にもう1つ期待しているのがIP57対応によるホコリや汗、そして水への耐性の向上だ。

 IP57の5は日常的なホコリや砂ぼこりからは十分保護される防じん性能を、7は「一時的な水没に対する保護」、雨の中での使用や汗をかく運動中、手洗い時の水しぶき、プールサイドでの使用、そして短時間の浅い水への落下に対する防水性を示していて、一応、水深1m以内の静水に30分間浸かっても耐えられるレベルの防水性能になる。

 これまでのAirPods Proは、こういった防水性がなく、過去に2度ほど雨などで濡らして壊してしまったことがあることから個人的に待望の仕様変更だ。

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