ダイナミックな映像が撮れるとあって、TikTokやYouTube ショート、抖音(中国版TikTok)を好む、若いユーザーが注目しているのが360度カメラです。リコーのTHETAシリーズが先鞭(せんべん)をつけ、近年はInsta360がリードしてきたジャンルですが、その後を追うように、DJIが7月末に「Osmo 360」を投入してきました。
ドローンやアクションカム市場で高い評価を得ているDJIですが、360度カメラ市場でも強い存在となるのではないか──実機をテストしてみて、そう実感しました。
価格はポーチやレンズプロテクターが付属する「スタンダードコンボ」で6万7100円と、コスパの良さがキラッと光ります。
ちなみにOsmo 360は128GB(実際は105GBが使用可能)の内蔵ストレージも搭載しています。映像の最高ビットレートが170Mbpsとなるので、Video Speed Class V30(240Mbps相当)のmicroSDメモリーカードがあれば事足りますが、カメラ単体で撮影/保存してスマートフォンに転送、編集してSNSなどに公開できるあたり、手に入れたその瞬間から、撮影を楽しんでほしいというDJIのメッセージのように感じます。
ハードウェアとしてのカメラ好きの方であれば、誰もが気になるのがセンサーサイズでしょう。Osmo 360は1/1.1型という、大型のセンサーを採用しました。しかもこのセンサーのアスペクト比が興味深い。正方形なのです。
360度カメラは前後の魚眼レンズで捉えた映像を円形状で記録します。ゆえに3:2、4:3、16:9のアスペクト比のセンサーだと横方向に活用できないエリアが生まれてしまいます。しかし、正方形のセンサーであれば極力無駄を省くことができるというわけです。
DJIいわく、通常のアスペクト比の1型カメラセンサーと同等の画質で記録できるとのこと。これは大きなメリットですよね。その他のスペックは以下の通りです。
従来のコンシューマー向け360度カメラは、8K/30fpsが1つの限界点でしたが、Osmo 360は8K/50fpsで撮影できます。XRヘッドセットなどで見るコンテンツにするならフレームレートが高い方が酔いにくい全天球映像となるし、25fpsに変更すれば2倍スローの動画も作れちゃう。これも大きな強みといえます。
なお、ビットレートの兼ね合いを考えると、精細さを重視するなら8K/30fpsで撮ることをおすすめします。
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