さて、今回購入したモデルに搭載されているRyzen AI 7 PRO 350の性能について詳しくチェックしていこう。
今までリリースされてきたモバイル向けのRyzenシリーズは、バッテリー駆動時において、ACアダプター接続時と比べてパフォーマンスが低下する傾向があった。しかし、ThinkPad P14s Gen 6 AMDに搭載されているRyzen AI PRO 300シリーズはこの課題が克服されており、ハイパフォーマンスが求められるモバイルワークステーションにピッタリなモデルと言えよう。
そこで、3DレンダリングによってCPUの性能をテストする「CINEBENCH R23」を実行し、Ryzen AI 7 PRO 350のACアダプター駆動時とバッテリー駆動時のパフォーマンスをチェックしてみよう。なお、今回ベンチマークテストの比較対象として、以下の筆者のメインPCの測定結果と比較しているので、参考になれば幸いだ。
こうして結果を比較してみると、AC駆動、バッテリー駆動ともにマルチコアスコア、シングルスコアにおいてほぼ同等のパフォーマンスを発揮していることが確認できた。
それに加えて、割と無理筋で比較対象としたメインPCとのスコア比も、マルチコアスコアは約83.2%、シングルコアスコアは約89%と大健闘しており、今回の目的であったメインPCの代替として十分なパフォーマンスを発揮していることが見て取れる。
ThinkPad P14s Gen 6 AMDについて、メインPCの代替機として利用できるか、という観点でハードウェア仕様から外観、ベンチマークテストを通して掘り下げてみてきた。
特にRyzen AI 7 PRO 350のパフォーマンスは、ノートPC向けのCPUにもかかわらず、デスクトップ向けのRyzen 7 9700Xの約8割のパフォーマンスを発揮できる点は、非常に大きな強みと言えよう。
加えて、ノートPCながら最大で96GBのメモリをサポートしているため、筆者のようなローカルLLMや、フォトレタッチ、仮想マシン用途で利用していたとしても十分なメモリ容量を確保できる点も非常に強烈な仕様だ。
インタフェースに着目してみると、Thunderbolt 4ポートを2基標準で搭載している点も非常に大きい。例えばThunderbolt 4を使った外付けのGPUボックスや、Thunderbolt 4ドッキングステーションと組み合わせることで、デスクトップPCと変わらないスタイルで利用できる。
そのため、自室で集中して作業する際はより強力な外部GPUと外部機器を利用できるし、育児や家事などで自室を離れる際も、メイン環境をそのまま持ち運んで作業継続できるため、筆者にピッタリな1台であることを改めて確認できた。
どこでもメイン環境を変わらず利用したい方には自信を持ってオススメできる製品だ。同じような悩みを抱えている方は「メイン環境のポータブル化」にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
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