プロ絵師がワコムの「MovinkPad Pro 14」を自腹レビュー ついに現れた“クリスタ最強デバイス”か:ある日のペン・ボード・ガジェット(2/6 ページ)

» 2025年11月10日 12時00分 公開
[refeia,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

気骨ありすぎる断捨離スペック

 ここまで紹介したスペックや、背面写真を見て「あれ?」と思った方もいるでしょう。本機はペン描画にフォーカスした仕様のため、一般的なAndroidタブレットの上位機とは違う、かなりクセの強い仕様になっています。上に挙げた樹脂ボディー以外の主な差は以下のようになります。

  • カメラなし
  • 生体認証なし
  • 普通音質の内蔵スピーカー

 「タブレットでカメラなんて使わないよ」は自分も同意するところですが、実際には、Amazonで1万円の爆安タブレットにすらカメラは内蔵されています。そこで起こるのは、「カメラなしデバイスは存在するものとして扱われない」です。

 そういった環境では、アプリの中に撮影機能やAR/QRコードログインなどを実装したとして、インストールにはカメラが必須、という設定にしても何も不都合は起こらず、実際にそうなっているアプリも多そうです。

 そこで、Google Play ストアでざっと「Galaxy Tab S8+にインストールできて、MovinkPad Pro 14にはインストールできない」アプリを探したところ、XやBlueskyをはじめ、意外と多くのアプリが見つかりました。

ワコム Wacom MovinkPad Pro 14 Pro Pen 3 ペン付き 液タブ タブレット Snapdragon 11月7日時点のチェックで、全てカメラが原因だったかまでは確認していません。金融などのeKYCや、通話、QRコード、AR、ギフトコードやカードの読み取り、翻訳、メモや記録/報告など、カメラを使う機能は実際とても多いです

 Xの閲覧や投稿など、多くのサービスはWebブラウザから問題なく利用できるので、過度の心配は不要です。ですが、ゲームはそうはいきません。せっかく巨大なタブレット買ったから「スマホゲームのかわいいキャラも大画面で見たいな〜」と思っていたボクは、ちょっと悲しいです。

 また、生体認証なしは、特定の条件でアンロック操作を省略するAndroidの標準機能「ロック解除延長」(旧Smart Lock)を利用すると、多少使い勝手を向上できます。ロックを素通りできてしまう時間ができるため、動作を把握して気を付けながら利用してください。

ワコム Wacom MovinkPad Pro 14 Pro Pen 3 ペン付き 液タブ タブレット Snapdragon 家にいる間は数時間PINコードなどの入力を省略してアンロックする、のような設定ができます

 内蔵スピーカーの音質は悪くはないですが、メディア消費を主要用途としてコスト配分された他のタブレットほどではないです。音声主体のコンテンツは問題ないものの、音楽やエンタメコンテンツを迫力あるサウンドで楽しみたいならば、イヤフォンや外部スピーカーを検討するのがよさそうです。

アンチグレア処理とAR処理の両取りディスプレイ

 本機のディスプレイは14型で2880×1800ピクセル表示、リフレッシュレート120HzのOLEDを採用しています。十分精細なだけでなく、表面をマットにするアンチグレア処理と、光の反射自体を減らすAR処理(低反射処理)の両方が施された珍しい仕様です。

 この分野はアンチグレア処理の製品が多かったですが、画面に光が当たると黒浮きしやすい弱点がありました。実際に、同社の「Cintiq Pro 17」と見比べても反射量が少なく、照明の工夫をしていない部屋でも画面を見やすいです。

ワコム Wacom MovinkPad Pro 14 Pro Pen 3 ペン付き 液タブ タブレット Snapdragon 左がCintiq Pro 17、右が本機です。他に防指紋処理も施されていますが、これはMovinkPad 11と共通です

 また広色域にも対応していて、sRGBとDCI-P3の色域カバー率が100%(CIE1931)です。広色域(スタンダード)と、カラープロファイルモードが選べるようになっています。今回は細かい挙動までは確認できませんでしたが、カラープロファイルモードに設定して、アプリとドキュメントでsRGB向けの設定をしておけば、sRGB目標の正確な制作もできそうです。

ワコム Wacom MovinkPad Pro 14 Pro Pen 3 ペン付き 液タブ タブレット Snapdragon 今回はカジュアルに使いたかったので、スタンダードモードを利用しています

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
  10. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー