既存モデルからの改良点として挙げられるのは、同時発売の屋内向けモデルと同じく、視野角の広さと解像度の高さだ。まず視野角は、前述のバッテリー式モデルが対角130度だったのに対し、対角152度へと改められている。より広い範囲を見守る必要があるならば、バッテリー式モデルと入れ替えるのもありだろう。
また解像度は1080p(1920×1080ピクセル)だったのが、2K(2560×1440ピクセル)へと改められている。解像度が高いことにより、記録された映像を拡大して見る場合などでも、細部まで確認しやすいはずだ。足元に置かれた宅配便のラベルを判別するのはさすがに不可能かもしれないが、車のナンバープレートの識別などには役に立つだろう。
なお前回レビューした屋内向けモデルの新製品では、先代のモデルに比べてナイトビジョンに切り替わるタイミングが早く、暗視性能が低い可能性を指摘したが、本製品については逆に暗視性能は高いように見える。この点は安心してもよいだろう。
アクティビティーの記録時間は仕様上は最大10秒とされているが、現時点では最大5分までの履歴も保存できる(左)。またローカルへの保存時も分割されることなく、丸ごと保存できる(中央)。ちなみに既存のバッテリー式モデルは最大3分という制限があり、それを超えると分割される仕様となっている(右)以上ざっと見てきたが、電源アダプター式ということで工事が大前提となるものの、ハードウェアの性能は向上しており、使い勝手も良好だ。Google Nestのネットワークカメラは近年新製品が途絶えており、Googleのヤル気が少々心配されていたが、正常進化と呼べる製品を投入してきたのは、既存ユーザーにとっても朗報だ。
もっとも、Gemini関連のアップデートは2026年初頭予定ということで、真の評価はその時点まで待った方がよいだろう。
一方で、製品のコンセプトについては若干首をひねる箇所もなくはない。1つは、マグネットを使ってプレートに吸着させるという設置方法だ。
既存のバッテリー式モデルでも採用されているこの仕組みは、そもそも充電時にカメラを取り外さなくてはならないという事情を解決するために生まれた構造だと筆者は理解していたのだが、今回、取り外しの必要がない本製品にまで採用されてしまった。
メリットとしては、角度調節の自由度の高さが挙げられるのだが、一方でいったんズレると元の角度を再現しにくいデメリットもあるのに加え、盗難が容易なのもネックだ。このあたり、コンセプトは少々ブレているように感じられる。
もう1つは、せっかく配線まで行って屋外に設置しているにも関わらず、カメラの映像自体は変わらずWi-Fiで転送されることだ。従来のバッテリー式モデルでは、屋外に設置することでWi-Fiの信号が弱くなり、時折プレビューが見られなくなることがあった。
本製品はせっかく工事まで行って配線を行っているにも関わらず、映像伝送はWi-Fiのままで、信号が減衰する問題は解決されていない。同社はWi-Fiルーターも手掛けていることもあり、それを否定するようなコンセプトの設計は難しいだろうが、オール有線という選択肢があってもよかったのではと思わなくもない。
これはほぼ同時期に発表された、PoE採用のAmazonのRingブランドの新製品にも言えることであり、同社製品に限った問題ではないのだが、屋外対応のラインアップが増えれば増えるほど、こうした問題は出てくる。いずれにせよ鉄製の非常扉が間にあるなど、電波が遮られやすい環境への設置は、従来と同じく気を付けるに越したことはなさそうだ。
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