発表時の批判は裏返る? スペック据え置きでも“買い”と言える、極上の普段着スマホ「Pixel 10a」を触ってみたある日のペン・ボード・ガジェット(2/3 ページ)

» 2026年04月27日 12時00分 公開
[refeiaITmedia]

古いチップの採用は気にしなくてOK

 10aで批判の中心になっているのは、先代のチップをそのまま使っていることです。Pixel 10シリーズの他のモデルで採用されている「Google Tensor G5」が、10aでは採用されませんでした。これは2つの意味で気にしなくてもいいです。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ 右側は、2025年に発売されたPixel 10無印です

 1つが、Tensor G5が「初物」の類いなことです。Googleとして初めてTSMC製造に踏み切った世代で、かつ、ポピュラーなスマホの中では最もマイナーなGPUを採用しています。ゲーム性能は上位モデルとしては満足と言いづらく、表示互換性も不安が残ります。

 もう1つが、一般的な用途ではほとんど使用感が変わらないことです。自分は「Pixel 10 Pro XL」も持っていますが、10aで一般的なアプリ、ブラウザ、地図アプリなどを使って違和感を覚えることはありませんでした。

 サムスン製造の世代で最も完成度が高まったTensor G4を本機で引き続き採用するのは、コストの面でも安定した使い心地の面でも、理にかなっています。

 また、Pixel 10のTensor G5のNPU性能に依存していた機能のうち、「オートベストテイク」や「カメラコーチ」のような撮影サポート機能は、本機にも移植されて使えるようになりました。「マジックサジェスト」や「Pixelスクリーンショット」などは(少なくとも現在は)利用できません。いずれもスマホの利用に大きな影響はないので、あまり気にしなくてもOKです。

日々の満足につながる動作感

 Pixel 10aを使っていて感じるのは、廉価機ながらも日々の満足につながる以下のような点です。

  • 見やすいディスプレイ
  • 聞き取りやすいスピーカー
  • 安心できるバッテリー

 ディスプレイの明るさはスペック表には最大値は書かれているものの、どれくらい明るいかは実際の制御によります。その点、Pixel 10aはミドルレンジのモデルの中ではかなり明るくしてくれ(最大3000ニト)、日中屋外でも画面を見やすいです。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ 左はOppoの「Find X9」です。Find X9の方が上位モデルですが、部屋の天井を撮影用照明でバリバリ照らしていると、Pixel 10aの方が明るく表示されていました(比べやすいように暗めに撮影しています)

 内蔵スピーカーも、iPhone 16eや17eほどではないですが、比較的良い音質です。過去のモデルより低音まで出るようになりながら、音声も聞き取りやすいので、動画を倍速視聴したい人にも合っていると思います。触覚フィードバックも、鋭くコツコツくる上質な感触になっています。

 バッテリーは、今となっては5100mAhの大容量といっても「普通」だと思いますが、用途によって急に減るようなことも少なく、安心して利用できました。また、ディスプレイの基礎代謝(?)が減っているのか、動画をずっと流し続けるような用途ではかなり頼もしいバッテリー持ちになっています。

 常時表示ディスプレイも、1〜120Hzに対応しないミドルレンジのモデルでは従来はズルズルと残量が減って使いづらかったのが、本機では常用してもよさそうなぐらい穏やかな減り方になっています。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ 手元では、YouTube 1080p動画は25時間、常時表示ディスプレイでの放置は130時間連続利用できるペースでバッテリーが減っていきました

下剋上の気持ちでマクロ撮影ができるカメラ

 本機のカメラは、約4800万画素の広角メインカメラと約1300万画素の超広角カメラを利用できます。Pixelらしく、鮮明で清潔感のある仕上がりになります。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ 一方でやや平坦に感じたり、エモくは撮りづらく感じることもあります

 発色やホワイトバランスが難しくなりそうなシーンも自然に撮れます。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ あまり盛らない発色は、個人的にはいつも歓迎です

 注目したいのが、マクロフォーカス対応のメインカメラです。近年はスマホカメラのセンサー大型化がトレンドですが、それによって近接撮影がしづらくなるという問題も起こっています。「相似」で想像してもらうと理解しやすいと思いますが、基本的に、小さな光学系では小さいものが撮りやすく、大きな光学系では小さなものは撮りづらいです。

 なので、最近の上位モデルでの近接撮影はメインカメラを諦めて、超広角カメラの2倍ズームに自動で切り替わるという動作が一般的です。そのせいでディテールやボケ味が失われ、のっぺりとした写りになってしまいます。以下はPixel 10 Pro XLで撮影した場合です。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ この例だと、これはこれで良い気もしますね

 一方で本機は、2分の1型というミドルレンジモデルとしても小さめのセンサーを搭載したメインカメラと、ピント調節機構のない超広角カメラという、廉価コンボです。これが、逆にメインカメラで近接撮影できるという「特技」を生んでいます。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ メインカメラでのマクロフォーカスはPixel 9aもできたはずです

 スペック表としては、さしてうれしいところのないカメラシステムですが、近接撮影はなかなか楽しいので、入手したら試してみてほしいです。2倍ぐらいで撮ると、手やスマホが影になりづらくて撮りやすいです(上位モデルではこれで豆粒超広角の4倍なんだよな、お気の毒…… みたいな優越感を覚えながら使ってください)。

Pixel 10a グーグル Google スマホ 廉価 Tensor G4 買い換え Isai Blue カメラ 葉っぱは風に揺られていましたが、フォーカスの追従性もよかったです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  2. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  3. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  4. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  5. 縦に三つ折りする「Ewin 折りたたみ式ワイヤレスキーボード」がタイムセールで12%オフの4820円に (2026年06月10日)
  6. 夜間もフルカラーで鮮明に記録できる「SwitchBot 屋外パンチルトカメラ 5MP」が15%オフの7674円に (2026年06月10日)
  7. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
  8. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  9. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  10. DJI初の360度カメラドローン「DJI Avata 360」実機レポ 多彩な8K空撮、これは“空飛ぶOsmo 360”だ (2026年06月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー