10aで批判の中心になっているのは、先代のチップをそのまま使っていることです。Pixel 10シリーズの他のモデルで採用されている「Google Tensor G5」が、10aでは採用されませんでした。これは2つの意味で気にしなくてもいいです。
1つが、Tensor G5が「初物」の類いなことです。Googleとして初めてTSMC製造に踏み切った世代で、かつ、ポピュラーなスマホの中では最もマイナーなGPUを採用しています。ゲーム性能は上位モデルとしては満足と言いづらく、表示互換性も不安が残ります。
もう1つが、一般的な用途ではほとんど使用感が変わらないことです。自分は「Pixel 10 Pro XL」も持っていますが、10aで一般的なアプリ、ブラウザ、地図アプリなどを使って違和感を覚えることはありませんでした。
サムスン製造の世代で最も完成度が高まったTensor G4を本機で引き続き採用するのは、コストの面でも安定した使い心地の面でも、理にかなっています。
また、Pixel 10のTensor G5のNPU性能に依存していた機能のうち、「オートベストテイク」や「カメラコーチ」のような撮影サポート機能は、本機にも移植されて使えるようになりました。「マジックサジェスト」や「Pixelスクリーンショット」などは(少なくとも現在は)利用できません。いずれもスマホの利用に大きな影響はないので、あまり気にしなくてもOKです。
Pixel 10aを使っていて感じるのは、廉価機ながらも日々の満足につながる以下のような点です。
ディスプレイの明るさはスペック表には最大値は書かれているものの、どれくらい明るいかは実際の制御によります。その点、Pixel 10aはミドルレンジのモデルの中ではかなり明るくしてくれ(最大3000ニト)、日中屋外でも画面を見やすいです。
左はOppoの「Find X9」です。Find X9の方が上位モデルですが、部屋の天井を撮影用照明でバリバリ照らしていると、Pixel 10aの方が明るく表示されていました(比べやすいように暗めに撮影しています)内蔵スピーカーも、iPhone 16eや17eほどではないですが、比較的良い音質です。過去のモデルより低音まで出るようになりながら、音声も聞き取りやすいので、動画を倍速視聴したい人にも合っていると思います。触覚フィードバックも、鋭くコツコツくる上質な感触になっています。
バッテリーは、今となっては5100mAhの大容量といっても「普通」だと思いますが、用途によって急に減るようなことも少なく、安心して利用できました。また、ディスプレイの基礎代謝(?)が減っているのか、動画をずっと流し続けるような用途ではかなり頼もしいバッテリー持ちになっています。
常時表示ディスプレイも、1〜120Hzに対応しないミドルレンジのモデルでは従来はズルズルと残量が減って使いづらかったのが、本機では常用してもよさそうなぐらい穏やかな減り方になっています。
本機のカメラは、約4800万画素の広角メインカメラと約1300万画素の超広角カメラを利用できます。Pixelらしく、鮮明で清潔感のある仕上がりになります。
発色やホワイトバランスが難しくなりそうなシーンも自然に撮れます。
注目したいのが、マクロフォーカス対応のメインカメラです。近年はスマホカメラのセンサー大型化がトレンドですが、それによって近接撮影がしづらくなるという問題も起こっています。「相似」で想像してもらうと理解しやすいと思いますが、基本的に、小さな光学系では小さいものが撮りやすく、大きな光学系では小さなものは撮りづらいです。
なので、最近の上位モデルでの近接撮影はメインカメラを諦めて、超広角カメラの2倍ズームに自動で切り替わるという動作が一般的です。そのせいでディテールやボケ味が失われ、のっぺりとした写りになってしまいます。以下はPixel 10 Pro XLで撮影した場合です。
一方で本機は、2分の1型というミドルレンジモデルとしても小さめのセンサーを搭載したメインカメラと、ピント調節機構のない超広角カメラという、廉価コンボです。これが、逆にメインカメラで近接撮影できるという「特技」を生んでいます。
スペック表としては、さしてうれしいところのないカメラシステムですが、近接撮影はなかなか楽しいので、入手したら試してみてほしいです。2倍ぐらいで撮ると、手やスマホが影になりづらくて撮りやすいです(上位モデルではこれで豆粒超広角の4倍なんだよな、お気の毒…… みたいな優越感を覚えながら使ってください)。
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