MicrosoftとOpenAIの「独占契約終了」が意味するもの──AI覇権を巡る両社のしたたかな戦略Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2026年05月01日 12時00分 公開
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独占契約が終了してもMicrosoftは提携関係を拡大するだけ

 前述の通り、売上シェアリングの分配方式に変更が加わったことでMicrosoft側からの支出が減った一方、もう片方向の売上供与は生き残っているとみられ、それは、今後OpenAIがビジネスを拡大して売上が上昇したとすれば、それだけの恩恵をMicrosoftが受けられるということを意味する。

 また、依然としてMicrosoftはOpenAIの最大の株主であり、もしIPOが上手くいけば所有するOpenAI株の価値が上がってMicrosoft自身にもプラスになるため、損することはないという流れだ。

 また、OpenAIの独占契約が終了しても当面はLLMなどのモデルや各種サービスがMicrosoftに優先提供されることには変わりなく、「OpenAIの最新テクノロジーに触れるならMicrosoft」という看板は引き続き使える。

 その一方でMicrosoft自身も昨今の情勢変化を見越して提携先を増やしており、典型例としてはエンタープライズ市場での躍進がめざましいAnthropicとの提携を2025年11月に発表している。

 これにより、同社のLLMであるSonnetやOpusを(OpenAIの)GPTのみならずCopilotのエンジンとして選択できるようにしたり、AnthropicがClaude Coworkとして提供している複数のAIエージェントを束ねて複雑なタスクをバックエンドで実行する仕組みをCopilotからも利用可能にしたりするなど、機能としてOpenAI以外の技術が次々と取り込まれている。

AIエージェントとして利用するLLMにOpenAIのみならずAnthropicのものも選択可能になっている
Copilot Coworkの例。現状はまだAnthropicのClaudeが動作するAWS上からAPIで機能を呼び出すケースが多いとみられるが、順次Azure上に移植が進んでいると思われる

 AIを取り巻くトレンドや政治事情は非常に短期間で変化しており、実際のところ独占契約が中長期的な成功を約束するものでないことは確かだ。その意味で、OpenAIもMicrosoftも現状でベストな形を目指して提携や戦略を変化させており、また1年後には勢力図含めて周辺事情が大きく変化している可能性が高い。

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