左奥には、Glyphの最大のギミックといえるレバーが備わっています。上に回すとEnterキー、下に回すとBackSpaceになります。タイプライターで紙送りをする時のキャリッジリターンの動作を落とし込んだアイデアです。
実際に操作すると“グニっ”とした手応えなのですが、それがまた本物らしく感じられるのです。文章を書く作業中、Enterキーの代わりにこのレバーを引くと、妙な充実感が生まれて、なにこれ楽しい。
右奥には、初期設定ではメディアコントローラーとして機能するシルバーの円筒形ノブがあります。回転させると音量調整、押し込むと再生/一時停止ボタンとして機能します。
側面から見ると、スイッチがむき出しに近い状態であることが分かります。ほこりは入りやすい構造ですが、エアダスターで吹けば簡単に掃除できるため、実用上の問題はそれほど大きくありません。むしろフローティングデザインの軽やかな印象を視覚的に強調していますね。
華やかな光を発するLEDは、キースイッチ下部に組み込まれています。キーキャップは光を通しませんが、傘となって光を反射し、スイッチ面全体を間接照明として照らします。輝度はかなり明るめ。暗い部屋でも楽に扱えます。
背面には、充電/有線ポートや接続モード切り替えスイッチに加えてこちらにもLEDが組み込まれています。こちらの輝度も高く、光らせておくとかなり派手な印象になってきます。
底面はシンプルな平面です。4隅に小さなゴム足が配置されています。滑り止めとしての機能は十分で、タイピング中に本体が動くことはありません。
「チルト調整はないのかな」と思ったら、底面に取り付けられたゴム足パーツを上下逆向きに差し替えることで、キーボードの奥側がわずかに持ち上がる仕組みになっています。なお通常状態で約1度、差し替え後で約2度です。数字だけ見れば、ほとんど変わらないし、触れてみても違いを感じにくいですね。
これなら固定でよかったのではとも考えましたが、Glyphはタイプライターをオマージュした遊び心満載のデザインキーボードです。そもそも機能対コストの物差しだけで真面目に評価しようとすること自体がナンセンスではないかと感じてきました。
効率や合理性とは別の軸で設計されたキーボードゆえに、1度か2度かという差を真顔で議論するより、「こういうギミックがある」という事実を楽しむ方が良いでしょう。
なお底面上部中央には、2.4GHzワイヤレス接続用のUSBドングルを格納できるスペースがあります。フタ部分はヒンジなどで本体とくっついているのではなく、マグネットだけで固定されています。USBドングルって紛失しがちですが、専用の収納場所があるだけで安心感がぐっと上がります。
デザインに振り切ったキーボードに見えて、こういう実用的な気配りがさりげなく盛り込まれているのもGlyphの良いところです。
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