サーバ中心だったAIは、今やノートPCへ降り始め、いずれモバイルへと裾野を広げていくだろう。COMPUTEXの直後に開かれた「WWDC26」でAppleが見せたオンデバイス志向、つまり「軽い処理は手元、重い処理はクラウドへ」という考えも、大きくは同じ方向を向いている。
むしろAppleは、モデルの最前線そのものより、OSへの統合とUX、ユーザーとAIをつなぐ最後のラストワンマイルに価値を移しつつあるように見える。Agent AIが手元で動くことが当たり前になれば、価値はどうユーザー体験を向上させるかへ移っていき、Appleはお得意のUXでここを取りにいこうとしているのだろう。
もっとも、Agent AIがコモディティー化するのにはまだまだ時間がかかるだろう。我々がローカルデバイスにAIを持つようになるまでの壁はチップの量産性とコスト、そして電力と冷却であり、特に後者の2つは大きな課題だ。
デスクトップPCなら電源に挿しっぱなしでエージェントを夜通し働かせられるが、ノートPCはバッテリー容量に制限がある。Agent AIは常時稼働することに価値があるが、ともすると電気を消費し熱を持つようになる。いかに熱効率がいいチップを作るか、いかに安定して電気を供給し効率よく冷却するかというデータセンター向けソリューションのモバイル版が求められるようになるだろう。
そういった壁を乗り越えた先には、仕事机の上、そしていずれは手のひらでAgent AIを回す未来があるのかもしれない。2026年のCOMPUTEXは、その入口を見せた展示会だった。
NVIDIAが新型プロセッサ「RTX Spark」でWindows PCに“再挑戦” 搭載PCは2026年秋に登場
「DGX Station for Windows」搭載PCってどんな感じ? NVIDIAの展示会場で見てきた
コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた
米MS、NVIDIAの新チップ・RTX Sparkを搭載した「Surface Laptop Ultra」発表 大規模AIモデルをローカル実行
所有しているのに、手元にないように感じる不思議さ ミニスパコン「NVIDIA DGX Spark」と過ごした1カ月Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.