SSDコントローラーのトップ2社は、対応するNANDの速度を引き上げるという“正攻法”で勝負を仕掛けている。それに対し、Realtek Semiconductorはコストパフォーマンスを重視したコントローラーや独自の付加価値を付与したコントローラーで明確な差別化を図っている。
PC向け内蔵SSD用コントローラーとしては、PCIe 5.0x4対応の新型「RTS5781」を中心に展示していた。これはDRAMレス仕様で、4チャンネル構成の毎秒36億転送NANDに対応している。理論上の最大リード/ライト速度は毎秒1万MB(毎秒10GB)で、ランダムアクセスは140万IOPSとなる予定だ。
担当者にインタビューした限り、本製品はまだ“開発中”で、チップの完成は2026年末を見込んでいるという。スペック的にはPHISON ElectronicsのPS5031-E31Tなどと同等で、コストパフォーマンスの良さを武器に、2027年以降PCIe 5.0のエントリークラスSSD市場へ食い込んでいくことが予想される。
「RM1220」はUSB 3.2 Gen 2x2対応のSSDコントローラー……なのだが、今回のCOMPUTEXでは“付加価値”にフォーカスした展示で目を引いていた。
まず目を引いたのはNFCやE Ink(電子ペーパー)を組み合わせたソリューションだ。PCに接続しなくてもストレージの空き容量や健康状態、使用時間といった情報をE Inkに表示したり、専用アプリを入れたNFC対応スマートフォンから画像を転送できたりするという。
また、RM1220を搭載するSSDに、自社のBluetooth 5.2コントローラーSoC「RTL8762ESF」を搭載することでBluetooth連携機能を追加するというデモ展示も興味深いものだった。
この展示では「スマホとBluetooth通信できている間のみSSDのアクセスロックを解除する」「iOSの『探す(Find My)』機能で紛失したSSDを捜索する」といった、セキュリティと利便性を両立する新しい提案をしていた。
RealTek Semiconductorは、SSDコントローラーに限らず、さまざまなSoC/コントローラーチップを取り扱っている。
「RTL9151AS」は新製品の1つで、1つのPCI Expressバス接続から「有線LAN(2.5GBASE-T)」「USB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)」「Serial ATA」といった入出力ポートをまとめて増設できるマルチI/Oブリッジだ。PCに複数のポート増設したい場合に使える。
「RTL8261D」は、10GbEに対応する新型のシングルポートPHY(物理層)チップだ。従来製品と比較して消費電力が抑えられており、100mの光ケーブルを使った場合でも消費電力が1.46Wだという。ただ、担当者としては「まだ満足していない」とのことで、さらなる消費電力の抑制を目指すという。
RTL8261Dは、従来製品よりも消費電力が抑制されているが、さらなる削減に努めるという。担当者は日本市場で同社のネットワーク製品が話題になっていることを耳にしているといい、「楽しみにしていて」とのメッセージを伝えたデータセンター/サーバ向けに特化したSSDコントローラーを手掛けるInnoGritは、4レーンのPCI Express 6.0(PCIe 6.0)対応コントローラーを披露していた。
「Crestone IG5686」はPCIe 6.0 x4対応の次世代SSDコントローラーだ。NVMe 2.3に準拠し、NAND容量は256TBまでサポートする。
シーケンシャルリードは最大毎秒28GB、シーケンシャルライトは最大毎秒22GB、ランダムアクセスはリード700万IOPS、ライト500万IOPSと、現状のPCIe 5.0 x4対応SSDコントローラーよりも高いスペックを実現しているそうだ。
COMPUTEX TAIPEI 2026では、製品としてのSSDにも興味深い製品が複数あった。詳細は別記事で紹介する予定だ。
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