外観の確認はここまでとし、ここからは各種ベンチマークテストを通して、本製品の真の実力を詳しく検証していこう。
なお今回は、同じくGeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載した「ASUS TUF Gaming A14(2026)」を比較対象として用意した。昨今のゲーミングPC市場において、Intel製CPUはAMD製に比べてパフォーマンス面で不利なイメージを持たれがちだが、今回のテストではどのような結果を示すだろうか。両機の主なスペックは以下の通りだ。
まずは、3Dレンダリングを通じてプロセッサおよびグラフィックスの純粋な演算能力を測定する「CINEBENCH 2026」の結果から確認していこう。
特筆すべきはGPUスコアの動向だ。全く同じGPU、同じTGP設定であるにもかかわらず、HyperX OMEN 15(インテル)が3割以上の大差をつけて圧倒する結果となった。
この顕著な差の背景には、両機の設計思想における決定的な違いがある。HyperX OMEN 15(インテル)が16コア24スレッドの「Core i7-14650HX」を搭載し、重量約2.52kgの据え置き利用を前提とした設計であるのに対し、ASUS TUF Gaming A14(2026)は10コア20スレッドの「Ryzen AI 9 465」を採用し、約1.46kgとポータビリティを追求したモバイル寄りのモデルとなっている。
両者のシングルコア性能がほぼ互角であることを考慮すれば、このGPUスコアの差はアーキテクチャの優劣によるものではない。システム全体で供給できる電力枠と、それを支える冷却性能のゆとりが、グラフィックス側のポテンシャルを限界まで引き出した結果と見るべきだろう。
最大ターボパワー157Wを許容するインテルHXシリーズと、15.3型ディスプレイを搭載したゆとりあるボディーが生み出す冷却面の優位性。これらが相乗効果を発揮することで、同じGPUを搭載しながらも「別次元のパフォーマンス」を実現している。GPU単体のスペック以上に、それを支えるCPUプラットフォームやボディー設計の重要性が、改めて浮き彫りになった格好だ。
続いて、3Dグラフィックス性能を網羅的にテストする「3DMark」の検証結果を確認していこう。主なスコアは以下の通りだ。
スコアを確認すると、いずれのテストにおいてもOMEN 15が5.7%〜8.8%ほど上回る結果となった。
なぜ、GPUの仕様や設定が共通であるにもかかわらずこれほどの差がついたのか。その答えは、両機が採用するCPUプラットフォームの「設計思想の差」にある。OMEN 15が搭載する「Core i7-14650HX」は、高い電力を投入して性能を引き出すハイパフォーマンスノートPC向けの「HXシリーズ」だ。
対するTUF A14の「Ryzen AI 9 465」は、14型クラスの薄型/軽量ボディーにも適合する、省電力かつ高効率なモバイルプラットフォーム(Gorgon Point)の派生モデルである。両者のCPUスペックを比較すると、そのアプローチの差は歴然だ。
3DMarkはGPU単独の描画性能だけでなく、物理演算などを通じてCPUの処理能力も総合スコアに反映される仕組みだ。OMEN 15の圧倒的なマルチスレッド数と、最大157Wまで許容する潤沢な電力供給枠が、全体のスコアを数%押し上げたのは間違いない。
この仮説を裏付けるのが、解像度別に見たスコアの乖離幅だ。一般に解像度が低いほどCPUの処理能力がボトルネックになりやすく、逆に4Kなどの高解像度環境ではGPUへの負荷が支配的(GPU律速)になる。今回の検証結果でも、低解像度寄りのテストで明確な差が開き、4Kテストではその差が縮小している。
これは、GPU単体の純粋な描画性能はほぼ互角であるものの、低解像度テストにおいてCPUの「足の速さ(処理スピード)」の差が総合スコアに反映されたことを示唆している。
ここで、HyperX OMEN 15(インテル)側にとって圧倒的に不利な条件が存在していた点にも触れておきたい。今回の評価機は、DDR5-5600の24GB×1という「シングルチャンネル」構成なのである。
対するASUS TUF Gaming A14(2026)は高速なLPDDR5X-7500のデュアルチャンネル相当であり、メモリ帯域の広さにおいてはTUF A14側が圧倒的に有利な状況にあった。
それにもかかわらずHyperX OMEN 15(インテル)がスコアで上回ったという事実は、Core i7-14650HXが持つ素の演算能力と、15.3型ボディーがもたらす冷却・電力供給のゆとりが、メモリ帯域の不利を補って余りあるものであることを証明している。
もしHyperX OMEN 15(インテル)のメモリをデュアルチャンネル構成へとアップグレードすれば、このスコア差はさらに広がる可能性が極めて高い。
HyperX OMEN 15(インテル)と比較対象のASUS TUF Gaming A14(2026)は、同じゲーミングノートPCというカテゴリーに属しながらも、設計思想の根底が異なるため、純粋な横並びの比較としてはやや前提条件が異なる。
しかし、頻繁に持ち運ぶ必要がなく、基本的には据え置き機として利用して純粋なパワーを最優先に求めるのであれば、HyperX OMEN 15(インテル)は間違いなく最適な選択肢となる。
合成ベンチマークでは数%の差にとどまっていた両機だが、実際のゲームプレイを想定した高負荷環境下ではどうだろうか。要求スペックが極めて高いAAA級タイトル「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」を用いて、その実力差をさらに深掘りしていく。
テスト条件はWUXGA(1920×1200ピクセル)、グラフィックスプリセットは「ウルトラ」に指定し、さらにDLSSフレーム生成を「オン」に設定。その結果は以下の通りだ。
注目すべきは、先ほどの合成ベンチマーク時よりも、ASUS TUF Gaming A14(2026)とのスコア差が約13%にまで拡大している点だ。
この要因もやはり、プラットフォームの設計差に起因する。広大なフィールドの描画や複雑なAI処理が並行して走る本作において、最大157Wの電力を許容する「Core i7-14650HX」の優れたマルチスレッド性能と、15.3型ボディーがもたらす冷却面のゆとりが、フレームレートの安定化に大きく寄与した格好だ。
メモリがシングルチャンネル構成であるというハンディを抱えながらも、実際のゲームでこれだけの差をつけた事実は非常に重みがある。持ち運びを重視した14型機であるASUS TUF Gaming A14(2026)に対し、重量約2.52kgのOMEN 15は、その重さと引き換えに「真のフルパワー」を維持し続けられる強みがあることを証明した。
「ノートPCは欲しいが、基本的にはデスクに据え置いて最高設定でゲームを楽しみたい」――そんなユーザーにとって、本機は極めて合理的な選択肢となる。
14型機のような軽快さこそないが、最新のAAAタイトルにおいて動作環境が「設定変更を推奨」とされるか「快適」と判定されるかの差は非常に大きい。純粋なパフォーマンスを追求するゲーマーにとって、HyperX OMEN 15(インテル)は期待を裏切らない「勝てるマシン」といえるだろう。
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