いったん、Project Aionの話は置いておき、このタイミングでX上でWalking Catの名前で活動しているアカウントをのぞいていたところ、ちょっと興味深い投稿を見かけたので紹介したい。
内容的には「これ(Project Aion)よりVibeOSの方がもっと面白い」ということで「VibeOS」に関する動画を紹介しているのだが、非常に面白い動画なのでぜひ皆さんにも見てほしい。
動画そのものはYouTubeにもアップロードされているが、VibeOSとは先日米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「Microsoft Build 2026」においてスティーブ・サンダーソン氏が披露したデモンストレーションだ。
「Vibe Coding」という言葉があるが、人間がコーディング(プログラミングで実際にコードを入力)を行うのではなく、機械との対話で指示を出してプログラミングを行うテクニックを指す。
もう名前で想像できた人がいるかもしれないが、「Vibe Operating System」つまりVibe Codingの要領でOSに指示を出すことで、OS自身が想定される指示に対応したアプリケーションや動作を“勝手”に作り出すというすさまじいものだ。
OS自体はVHD(仮想HDD)の形で提供され、バーチャルマシン(Hyper-V)上で動作し、どこかで見たことあるようなUIを持つデスクトップOSの画面が起動する。そこから先のスタートメニューで選択できるアプリケーション群や“プロンプト”で探し出すアプリケーション群は実際には存在せず、「こういう動作だよね」というものをOSが解釈してその場で作り出している。
電卓を起動すれば電卓として使えるアプリケーションが動作し、Internet Explorerを起動すればWebページを開いてWikipediaも参照できる。
「おおすごいじゃん」と思われたかと思うが、確かにすごいのだが、このVibeOSの特徴は全て「オンデバイスLLM」で動作している点にある。あらゆる動作はLLMが自己流に解釈してアプリケーションやOSシェルの動作を真似ているだけで、その内容が正しいかどうかは担保されていない。
加えて、クラウド環境にアクセスしているわけでもないので、前述のような「Internet Explorerで表示したWebページ」というのは実は存在せず(より正確には該当するURLは存在しても画面や中身が違う)、あくまでLLMがそれっぽいページを想像して表示しているだけだ。
デモンストレーションの中で、「The world's first 100% hallucinated operating system.」と説明しているが、全ての動作はハルシネーションの塊であり、あくまでジョークアプリケーションのデモなのである。
一種の思考実験のようなものだが、「AIを使えばこういったことも可能だよ」ということを示しつつ、「ではプログラムの本質とは何なのか」「ユーザーはそこにどう介在する」という将来に向けた布石にもなっている。
前回はProject Solaraで「ユーザーインタフェースの考え方が変わる」的な話をしたが、今回は「そもそもアプリケーションやOSって何だ?」というテーマにつながるだろう。
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