FCCL初のArmノートPC「FMV UQ-L1」のバッテリー持ちは本物か? 3カ月使って分かった実力(2/2 ページ)

» 2026年07月08日 15時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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そもそもパフォーマンスはどうなのか?

 FMV UQ-L1を含めて、Qualcommの「Snapdragon X」シリーズを搭載するノートPCは、全般的にバッテリー駆動時間が長いとされる。そのことについて、「処理パフォーマンスを抑えることで、消費電力を削減している」という人もいる。果たして、それは“真”なのだろうか……?

 ということで、ULの総合ベンチマークテストアプリ「Procyon」の中から、Microsoft Officeのデスクトップアプリのパフォーマンスをチェックする「Office Productivity Benchmark」を実行してみた。このテストはArm版Windows 11にネイティブ対応しており、ArmアーキテクチャのPCでも性能を客観的に計測可能だ。今回は外部電源接続時とバッテリー駆動時の両方を「バランス」の電源設定して計測している。

 結果は以下の通りとなった。

  • 外部電源接続時
    • 総合スコア:4894ポイント
      • Word:5633ポイント
      • Excel:4610ポイント
      • PowerPoint:5776ポイント
      • Outlook(Classic):2989ポイント
  • バッテリー駆動時
    • 総合スコア:4491ポイント
      • Word:5314ポイント
      • Excel:4342ポイント
      • PowerPoint:5156ポイント
      • Outlook(Classic):2604ポイント

 ULが公開しているパフォーマンスティアによると、総合スコアは「中の中」となるようだ。何を“普通”とするかは人によるが、少なくともOfficeアプリを使う分には十分な性能を有している。テスト中に処理の引っかかりが起こることもなかった。バッテリー駆動時のパフォーマンスの落ち込みも思ったよりも少ない。

 なお、FMV UQ-L1のバッテリー駆動時における電源設定は「最適な電源効率」となっている。この設定でバッテリー駆動した場合のスコアは以下の通りとなる。

  • 総合スコア:2884ポイント
    • Word:3463ポイント
    • Excel:2557ポイント
    • PowerPoint:3602ポイント
    • Outlook(Classic):1633ポイント

 先述のパフォーマンスティアに当てはめると、この総合スコアは「下の上」あたりに来るようだ。要するに、エントリークラスの上位に当てはまる。バッテリー駆動時間を重視する場合はこの設定のままでも稼働できるが、少し大きめのファイルを扱うタイミングで若干の引っかかりが見られた。

 「パフォーマンスが気になる」という人は、電源設定をバランス以上にしておくことをお勧めする。後述するが、バランス設定でもバッテリーは十分に持つ

Office Productivity Benchmark UL Procyon「Office Productivity Benchmark」の結果

実際のバッテリー駆動時間はどうなのか?

 先述の通り、FMV UQ-L1の公称バッテリー駆動時間はアイドル時で最長約41時間、動画再生時で最長約26時間となっている。実際の駆動時間は使い方に左右されるが、CPU/GPUやストレージに高い負荷を掛け続けるような使い方をしなければ、充電しなくても1日は過ごせそうだ。

 とはいえ、現実に近いシチュエーションで使った場合、バッテリー駆動時間はどうなるのだろうか。調べてみたいところだが、公称時間を踏まえると「寝る前にバッテリーベンチマークを始めてぐっすり眠っても、バッテリーが2割〜半分ぐらい残っていて元気いっぱい」というのは目に見えている。これはFMV UQ-L1に限った話ではなく、最近のノートPCでは“あるある”なのだ。

 そんな中、ULはProcyonに「One-Hour Battery Consumption Benchmark」というテストを用意している。これはその名の通り「1時間(60分)当たりのバッテリー消費量をチェックする」というベンチマークテストで、基本的には「電源設定がバッテリー消費量に与える影響を調べる」用途で使うものだ。時間の都合もあり、今回はこのテストを使って「Office Productivity」「Video Playback」「Idle」の3シナリオで1時間当たりのバッテリー消費量を調べることにした。

 Office Productivityシナリオは、先述のOffice Productivity Benchmarkを1時間に渡り繰り返し実行するものだ。Video Playbackは、「Windows Media Player」または「Microsoft 映画&テレビ(Flims & TV)」を使って1080p(1920×1080ピクセル)/30fpsで作られたビットレート10Mbps前後のMP4動画(YouTubeにおける「1080p」画質相当)を複数、1時間に渡り再生し続ける。そして名前の通りIdleは、画面を付けて“何もしない”状態を再現する。

 Windowsの電源設定は「バランス」、液晶ディスプレイの輝度はあえて最大とした場合のバッテリー消費量は以下の通りとなった。

  • Office Productivity:8%
  • Video Playback:4%
  • Idle:3%

 Office Productivityシナリオでは、メモリやSSDへのアクセスが頻繁に発生する。ゆえに電力消費もそこそこ多いのだが、ディスプレイの輝度を最大にしても1時間当たり8%の消費ということは、1日の労働時間である「8時間+α」は無充電でも余裕で過ごせそうである。

 良い意味で意外だったのは、Video Playbackシナリオだ。動画を再生するということは負荷がそこそこに大きいのだが、Idleシナリオにプラス1%の消費にとどまっている。これはFMV UQ-L1が搭載するSnapdragon Xに内包されたGPUコア「Adreno」に、MP4を含む主要な動画形式に対応するハードウェアデコーダー/エンコーダーを内蔵している効果だと思われる。

バッテリー駆動時間 上からOffice Productivity、Video Playback、Idleの3シナリオにおける1時間当たりのバッテリー消費量。Video Playback(動画再生)が想像以上に低消費電力となっている

 昨今のWindowsノートPCは、「バッテリーの大容量化」「CPU/SoCの省電力化」「ハードウェア/ソフトウェアの最適化」が進んだことで全体的にバッテリー駆動時間は長くなる傾向にある。

 中でも、ArmアーキテクチャのCPUコアを備えるSnapdragon Xシリーズを搭載するモデルは、アイドル時や動画再生時のバッテリー駆動時間に大きな強みを持つ。FMV UQ-L1もご多分に漏れず、「バッテリー持ち」がとても良い。外出先でなかなかバッテリーを充電できないというシチュエーションになりやすい人は、ぜひチェックしてみてほしい。

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