Windows 11 2024 Updateの目玉機能「リコール」って何? 実際に試して分かったポイントを解説(1/2 ページ)

» 2024年11月26日 12時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)では、Copilot+ PC(新しいAI PC)の要件を満たしたPCに対して「リコール(Recall)」と呼ばれる新機能が実装される予定だ。ただし、主にプライバシー面での懸念が指摘されたこともあり、同バージョンの一般リリース時点での提供は見送られた。

 そんな中、Windowsの新バージョン/ビルドを先行して提供する「Windows Insider」のDev(開発者)向けチャネルにおいて、11月22日(米国太平洋夏時間)からリコール機能を試せるようになった。この記事では、リコール機能を試すために必要な設定と、注意点をまとめる。

リコール リコール機能を試すにはどうすればいい?

「リコール」の要件(おさらい)

 先述の通り、リコール機能を使うにはCopilot+ PC(新しいAI PC)の要件を満たしたPCが必要だ。ただし、システムのストレージに50GB以上の空き容量がないと機能を有効化できず、有効化しても空き容量が25GBを下回ると自動的に停止される

 リコール機能を有効化すると、スナップショット(スクリーンショット)が最大3カ月間保存される。そのため、ストレージに以下の通り“予約領域”が確保される(括弧内は設定可能な容量)。

  • ストレージ容量が256GB:25GB(10GB)
  • ストレージ容量が512GB:75GB(25GB/50GB)
  • ストレージ容量が1TB以上:150GB(25GB/50GB/75GB/100GB)

 設定容量を超過した場合、スナップショットは古い順に自動削除される。また、任意のスナップショットを削除する機能も実装されたので、うまく活用したい。

 なお、セキュリティ保護の観点から、リコール機能を使う場合は以下の要件も満たす必要がある。

  • デバイスまたはシステムストレージを暗号化すること
  • 起動時に「セキュアブート(Secure Boot)」を用いること
  • Windows Hello 拡張サインイン」に対応できる生体認証デバイスを搭載していること
  • 少なくとも1種類の生体認証デバイスでサインイン(ログイン)できる状態であること
要件 リコール機能を使うための要件。基本的にはCopilot+ PCであれば満たせるのだが、セキュリティ面で追加の要件があるので注意したい

プレビュー提供は現状で「Snapdragon X」のみ 6言語に対応

 現時点においてリコール機能を試せるのは、「Snapdragon X Plus」「Snapdragon X Elite」を搭載するCopilot+ PCのみとなる。

 Copilot+ PCにはAMDの「Ryzen AI 300プロセッサ」やIntelの「Core Ultra 200Vプロセッサ」を搭載するものも存在するが、これらIntelアーキテクチャのモデルでは今後のDevチャネルに対するアップデートで試せるようになる予定だ。ただし、その時期は「Coming Soon(間もなく)」となっており、明示されていない。

 また、利用できる言語は以下の通りで、国/地域によっては利用できない場合もある。

  • 中国語(簡体字)
  • 英語
  • フランス語
  • ドイツ語
  • 日本語
  • スペイン語
要件 リコール機能を試せるのは、現時点ではSnapdragon Xシリーズを搭載するCopilot+ PCのみとなる。Ryzen AI 300/Core Ultra 200Vプロセッサを搭載するモデルについては「Coming Soon(間もなく)」とのことで、今後のアップデートでプレビューに対応する予定だ
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