「大のAppleオタクであり、ファンだった」と語るワン氏は、iPhone 4との出会いを通じてハードウェアの可能性に魅了され、Appleへの入社を果たした。
しかし大企業の中で目にしたのは、期待していた大胆な意思決定や革新的な開発ではなく、極めて慎重な判断や安全策、そして優秀な人材の流出だった。その現実に直面する中で、次第に熱意を失っていったという。
「投資家の資金はソフトウェア、特に現在はAIスタートアップへ集中し、ハードウェアの進化は停滞している。シリコンバレーでさえ、魅力的なハードウェアを生み出すスタートアップに出会うことは難しくなった。
そこで2018年、優秀なエンジニアが多く集まる中国・深センに戻り、ハードウェア企業を自ら立ち上げる決意をした」(ワン氏)
ワン氏は、AppleやSamsungといったハードウェアの巨大テック企業に対峙し、「AI業界におけるOpenAIやAnthropic、あるいは自動車業界におけるテスラのような存在を目指す」と強い意志を示した。
「私たちのビジョンは、インタフェースの将来的な変化を見据えることから始まった」と、ワン氏はスマートグラス開発の背景について語り始めた。
「デバイスはPCからモバイル、さらにはスマートフォンやスマートウォッチへと小型化されてきた。しかし小型化に伴い画面サイズが制限され、機能も削られてしまう。結果として、スマホを所有しながらも大画面のiPadを併用せざるを得ないのが現状である。スマートグラスは、極限まで小さくして携帯性を高めた、常に持ち歩ける唯一の常に持ち歩けるデジタルデバイスだ。しかも、(デバイスが小さくともアイウェアという特性上)画面サイズが小さすぎるという制限もない。常に携帯できて自分たちの近くに置けるデバイスになり得る」(ワン氏)
さらにワン氏は「これこそが次世代のインタフェースになると心から信じている」と強調。「私たちは『次のiPhone』に匹敵する革新を創造している」と強い自信を見せた。
今後のロードマップとして提示されたのは、会話文脈の理解力向上、「Even AI」の性能/メモリの拡張、そして「Even Hub」におけるユーザー体験のさらなる向上という3点だ。
ワン氏は「私自身も会話・翻訳の統合機能を重要な会議で活用し、その利便性を実感している。ただし、知能レベルには進化の余地がまだ残されている。個人ナレッジベースとの連携を望む声にも応えるため、今後2〜3カ月以内にアップデートを実施したい」と意欲を示した。
またアプリストア「Even Hub」に関しても、開発者から寄せられる多種多様なフィードバックや要望に真摯に応えていきたいと述べた。
同氏は一貫して、ソフトウェアの継続的なアップデートと、既存ユーザーが各種機能を無償で使い続けられる環境の提供を強調した。
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