NAND高騰時代を乗り切る「失敗しないSSD選び」とは? TGS2026でキオクシアなどストレージメーカー5社の戦略を追う:東京ゲームショウ2026(1/4 ページ)

» 2026年09月20日 19時30分 公開
[すまさ,ITmedia]

 荒天のため、「東京ゲームショウ(TGS)2026」の一般公開は9月20日が最終日となった。

 ここ数年のTGSではPCやゲーム機向けのストレージメーカーの出展が増加傾向にあるが、今回のTGS2026ではキオクシアが“初出展”して、一部メディアの注目を集めている。

 今回はストレージメーカーがTGSへ出展する狙いを探りつつ、各社への取材を通して2026年秋の「失敗しないゲーミングストレージ選び」の方法を模索する。

ストレージメーカーがTGSに出展する背景は?

 なぜストレージメーカーがTGSに出展するのか――その理由を端的にいうと、現在のPCパーツ/ゲームハードウェア市場が置かれた“極めて異例な状況”にある。

 ITmedia PC USERを含む各種テクノロジーメディアでも話題となっている通り、AI(人工知能)を処理するサーバ向けのメモリやSSDへの“需要爆発”を受けて、ストレージ業界ではDRAMやNANDフラッシュメモリの価格高騰という課題に直面している。

 必要な部材の争奪戦により、SSDの製造に必要なNANDフラッシュメモリの仕入れ価格は半年前と比較して数倍に跳ね上がっており、コンシューマー向けSSDの価格も大幅な高騰を余儀なくされている。

 このことは、ゲーミングPCの販売価格にも影響を及ぼしている。例えば注文に応じてパーツを組み合わせるBTOゲーミングPCでは、「Ryzen 7 9800X3D」と「Radeon RX 9070 XT」を搭載するアッパーミドル級のモデルでも50万〜60万円台の値付けは珍しくなく、超ハイエンドGPU「GeForce RTX 5090」を搭載する場合は100万〜140万円超もあり得る。

 PCを買い替えるハードルが上がる一方で、旧来の資産を流用できる観点でDDR4メモリに対応するCPUやマザーボードは“ロングセラー”となっている。そのことを捉えてか、AMDは6月に約4年前に発売したCPUの“記念パッケージ”というものをリリースしている。

 このように、BTO/自作PC市場では、製品の「高価格帯への移行」と「既存環境の長期利用」のニーズが並立している状況だ。

Ryzen 7 5800X3D 「Socket AM4の10周年」という名目で6月に発売された「Ryzen 7 5800X3D 10th Anniversary Edition」は、約4年前にリリースされた「Ryzen 7 5800X3D」の特別パッケージである。特別パッケージとはいえ、約4年も前のCPUを再リリースした背景にはメモリ価格の高騰がある(関連記事)

 パーツ価格が上昇し、PCやパーツをおいそれと買い替えられない――だからこそ、ユーザーはPCパーツについて「最高速度」だけでなく「自分の環境に必要か?」「失敗しない選択肢か?」といった点を“厳しく”見極めている。

 ストレージメーカーにとってのTGSは、ゲーマーや自作/ハイエンドPCユーザーに実機で性能を体験してもらい、同時に製品への反応を直接収集できる貴重な“接点”なのだ。

全景 ストレージメーカーにとって、TGSは日本のゲーマーや自作/ハイエンドPCユーザーとの貴重な接点なのだ
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