MacBookに数枚の紙を挟んで持ち運んだだけで、ディスプレイが損傷した……? 薄い紙でも油断できない理由

» 2026年09月17日 19時47分 公開
[山口恵祐,ITmedia]

 「買ったばかりのMacBook Proに紙の資料を挟んで持ち運んでいたら、ディスプレイが破損した」──そんなショッキングな投稿がSNSで話題を呼んでいる。

 硬いペンや分厚い手帳ならともかく、「たかが数枚の薄い紙で画面が割れるなんて……」と驚く人も多いだろう。しかし、近年のMacBookの構造を知れば、これが決して珍しい事故ではないことが分かる。

photo 最新の「MacBook Pro」

限界まで削ぎ落とされた、キーボードとディスプレイの隙間

 AppleのMacBookシリーズは、薄型デザインを実現するために、極薄のアルミボディーにガラス一体型の液晶パネルを採用している。そのため、画面とキーボードが合わさるクリアランス(隙間)は、極めて厳密な公差で設計されている。

 Appleの公式サポートページでも、このシビアな設計については明確に警告されている。「カメラカバー、パームレストカバー、またはキーボードカバーを使用している場合は、ディスプレイを閉じる前に取り外してください」とアナウンスされている。

 特に注目すべきは、カメラカバーの厚みに関する指定である。Appleは「一般的なコピー用紙の厚さ(0.1mm)を超えないもの」と明確な基準を示している。つまり、「コピー用紙1枚」が設計上の限界ということだ。

 数枚のA4用紙を挟めば、その厚みは完全にアウトだ。おそらく閉じた際のヒンジを支点とした「てこの原理」で強烈な圧力がかかり、表面のガラスは無事でも、内部のもろい液晶パネルだけが割れてしまう可能性がある。

「保護するつもりが破壊している」というわな

 ディスプレイにキーボードの跡がつくのを防ぐため、シリコン製のキーボードカバーや画面保護フィルム(ガラスフィルムなど)を使用している人も多いだろう。しかし、これも実は非常にリスキーな行為だ。

 AppleInsiderなどの海外メディアや、Redditなどのコミュニティーにおいても、キーボードカバーや保護フィルムを長期間使っていた結果、画面に修復不可能な線が入ったり、割れたりしたという報告があることを多数確認できた。購入時に画面の間に挟まれている極薄の保護布以上の厚みや硬さがあるものを挟むことは、常にディスプレイにストレスを与え続けている状態といえる。

痛すぎる修理費 われわれにできる自衛策は?

 一度画面が割れてしまうと、MacBookの修理代は非常に高額だ。有償保証に加入していなければ、保証対象外の修理として、十数万円の請求になることも珍しくない。

photo 高額になっているPC、できれば大事に扱いたいところ

 そうした悲劇を防ぐための最もシンプルで確実な方法は、「ディスプレイとキーボードの間には、空気以外何も挟まない」ことを強く心掛けることだ。

 画面の汚れやキーボード跡が気になる場合は、カバーで保護するのではなく、少量の水を含ませた柔らかいマイクロファイバークロスで定期的に優しく拭き取るのが、一番安全なメンテナンス方法となるだろう。昨今はPCや電子機器の価格が高騰している。デバイスを長く愛用するために、画面を閉じる前の「一呼吸」の確認を、ぜひ習慣にしてほしい。

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