「iPhone 18 Pro」は“カメラの原点”に回帰する――機械式絞りとAI時代の“真正性”証明技術に見た新生Appleの挑戦(1/5 ページ)

» 2026年09月16日 21時00分 公開
[林信行,ITmedia]

 Appleの新型スマートフォン「iPhone 18 Pro」を手にして、最初に目を引かれたのは何を隠そう製品の外観だ。

photo 新型スマートフォン「iPhone 18 Pro」

 「え、iPhone 17 Proとほとんど変わっていないのでは」と思う人も多いかもしれない。確かに形状はそうだ。しかし、背面の仕上げは大きく異なる。

 アルミニウムとガラス、全く異なる質感であり、発色も違うはずだが、17 Proではあえてツートーンカラーのコントラストを楽しむような仕上がりを狙っていた。

「iPhone 18 Pro」(Burgundy/512GB)。何とも渋みのある色だが、明るい光を当てると急に華やかになる

 ところが、18 Proの方向性は逆で、異なる素材でいかに色をうまく融合させるかに挑戦している。17 Proから継承された唯一のカラーバリエーション、シルバーの背面を見ると、その姿勢が強く感じられる。

 バーガンディーのカラーは、ブルゴーニュワインのフルボディーを連想させる重厚な赤で、わずかな渋みもあり、大人向けの色に仕上がった。グレイシャーは、当てる光によって淡い青にも、予想以上に濃い青にもなる。

 Apple製品の進化には、ちょっとしたジンクスがある。外観が変わっていないように見える時ほど、面白い進化であることが多い。AI時代にあえてアナログな機構を取り入れたり、画像改変に対抗する新たな試みが始まっていたりと、iPhone 18 Pro/Pro Maxも例外ではないようだ。

iPhone 18 Pro Max 「iPhone 18 Pro Max」(Black/1TB)。異なる素材なのに、同じ黒同士で見事に調和しているのが分かる(明るい光を当てると、見え方に差が出てくる)

iPhone 17 Proからの進化を数字で整理する

 まず、スペック的な変化を見てみよう。性能を左右するプロセッサはA20 Proを搭載している。従来のA19 Pro比でCPUが最大20%、GPUが最大40%高速化しているとされており、Neural Engineの演算能力は2倍、メモリ帯域が50%増えているという。

 またバッテリーを使った動画再生時間は、Proが最大33時間から36時間へ、Pro Maxが最大39時間から45時間へと大きく延びている(今回は時間の関係で検証はしていない)。

 iPhone 18 Proは外観こそ17 Proに似ているが、内部構造は大きく変わっている。ベイパーチャンバーという液体を使ってプロセッサの熱を広げる仕組みは踏襲しているが、配置と大きさが変わっている。

 17 Proでは冷却用の部品として本体内部に組み込んでいたが、18 Proでは、画面と背面の間にある金属製の骨組み自体がベイパーチャンバーとして働く。熱を広げる面積は17 Proの3倍になり、本体を支える構造も使って広く熱を逃がせるようになった。

 画面上の特徴としては、今やPro以外のモデルにも広まった「Dynamic Island」(画面上の黒いカメラ部分を逆転の発想で、一時的情報の表示や確認の場所として活用する機能)がサイズ的には小型化しつつ、機能的には拡張されている。

メインカメラに搭載された可変絞り機構の動きは十分な光を正面から当てれば肉眼でも見ることができる

 これまでは2件だった表示が、新たに最大3件のライブアクティビティーを同時表示できるようになっている。基調講演ではFlighty、地図、タイマーを併用する例が示された。移動中にフライト情報、経路案内、残り時間を追うといった使い方だ。情報を詳しく見る時は長押しし、項目間はスワイプで移動できる。

 例によって一番進化したのはカメラだ。ただし、今回はより高解像度化したとか、新しい撮影モードが加わったというだけの単純な話ではない。

 メインカメラの中に、実際に機械的に開閉する可変絞り機構が搭載されたのだ。

 また撮影時の機能として手動フォーカスやホワイトバランス調整、ヒストグラム表示などが加わっており、標準のカメラアプリでプロ的なこだわりでちゃんとした写真が撮れるようになった。

 フォトグラフスタイルは肌の質感や粒子感も調整でき、シネマティックモードは4K/30fpsから4K/60fpsとなり、さらにAI時代へのAppleの対応の1つとして、撮影時の記録を照合できる「Apple Reference Image」という機能も備えた。

初回設定時に出てくるApple リファレンス画像の説明 初回設定時に出てくるApple リファレンス画像の説明
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