「iPhone 18 Pro」は“カメラの原点”に回帰する――機械式絞りとAI時代の“真正性”証明技術に見た新生Appleの挑戦(5/5 ページ)

» 2026年09月16日 21時00分 公開
[林信行,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

プロセッサも期待通りの進化

 機械式の絞りに注目してきたが、撮影した情報を写真に仕上げる計算の力も欠かせない。ピントを追い、背景を見分け、色や質感を整える。撮影者が設定を変えた時に、その結果を画面へすぐ返すにも処理能力が必要だ。

 そこで、iPhone 17 Pro Maxと18 Pro Maxの性能をベンチマークで比較した。

 まず、アプリの動作やさまざまな計算を担うCPUを見ていくと、Geekbench 7では、1つのコアの力を見るシングルコアスコアが約28%、複数のコアを使うマルチコアスコアが約24%向上した。

 処理を順番に進める仕事でも、分担できる仕事でも、計算能力が底上げされた結果だ。大量の写真を扱ったり、他の処理をしながら編集アプリを使ったりする場面を支える余裕として期待できる。

Geekbench 7 コズミックオレンジ色のiPhone 17 Pro Maxのスコアを100として、18 Pro Maxの各性能がどれくらい伸びたかをグラフで示した(グラフはChatGPTで生成後、確認)

 画像を構成する大量の画素などを、並行して計算するのが得意なのがGPUだ。こちらのスコアは約44%向上していた。

 Geekbenchはいくつもの細かなテストを積み重ねて最終スコアを算出しているが、個々のテストに着目すると面白い。今回のテストでも、写真フィルター処理のスコアは約50%、RAW処理は約43%伸びており、これらの機能を多用する人は恩恵が大きそうだ。

 もう1つが、AIの計算を得意とするNeural Engineだ。Geekbench AIでは両機ともこれを使う設定にそろえた。計算する数値の細かさが異なる3つのテストで、総合スコアは約25〜32%向上した。

Geekbench 7 Geekbench 7とGeekbench AIで行ったテスト結果の小項目で、特筆すべきだったスコアをまとめた(ChatGPTでインフォグラフィックス化)

 個別の処理を見ると、その意味を想像しやすい。人物の関節の位置などを推定する「姿勢推定」は半精度のテストで約84%向上し、画像の中を人物や背景などの領域に分ける「画像領域分割」は約65%伸びた。人の動きを捉えたり、人物と背景を分けて扱ったりする種類の計算で、大きな差が出たことになる。

 同じAI処理でも使用するアプリによってアプローチが変わることもあるので、必ずしも常にこの結果が得られるわけではないが、それでも一度、iPhone 18 Proに慣れてしまうと、17 Pro以前の処理能力に戻るのがつらくなることは確かだろう。

 iPhone 18 Proは、性能向上もさることながら、細かなところで、これまでになかった新しい方向性を感じさせるチャレンジがいっぱい詰まったデバイスだったが、もしかしたらこれは新CEOのジョン・ターナス氏を迎えて、精神的にも若返った新生Appleを象徴しているのかもしれない。

iPhone Duoを手にする新CEOのジョン・ターナス氏 iPhone Duoを手にする新CEOのジョン・ターナス氏
前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月03日 更新
  1. 米Microsoftはなぜ最大6万人に早期退職を打診するのか? 決算資料から読み解く巨額AI投資の“台所事情” (2026年11月02日)
  2. “左手デバイス”にもなる、エレコムのキー&ダイヤル付き8in1ドッキングステーションを試す 便利だが惜しい点も (2026年11月02日)
  3. Googleが最先端モデル「Gemini 4 Carbon」を発表/OpenAIが新モデル「GPT-6.1 Terra」を発表 API料金は従来の半額 (2026年11月01日)
  4. そのときのアキバはどんな姿に?――MSIが2027年9月までのキャンペーンを実施 (2026年11月02日)
  5. サンワ、超小型筐体を採用した3ポート搭載スイッチングLANハブ (2026年11月02日)
  6. 音質重視のUSBマイクがトレンドに 個性派PCケースの先行展示も見逃せない週末アキバ (2026年10月31日)
  7. 14年前の“黒歴史”を経て生まれたNVIDIA「RTX Spark」は何を変える? 「AI PC」から「Agentic PC」へと昇華するローカルAIの道筋 (2026年10月30日)
  8. Amazonが新AIアシスタント「Alexa+」の日本語版をリリース 「Amazon プライム」会員なら追加料金なしで利用可能 (2026年10月29日)
  9. グッズ収納ケースとして使えるBluetoothワイヤレススピーカー (2026年11月02日)
  10. 映像監督の目にはどう映った? MSIの白くてフラットな34型QD-OLEDディスプレイと、4Lボディーで120BのLLMが動くAIワークステーションを見てきた (2026年10月30日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー