「iPhone 18 Pro」は“カメラの原点”に回帰する――機械式絞りとAI時代の“真正性”証明技術に見た新生Appleの挑戦(3/5 ページ)

» 2026年09月16日 21時00分 公開
[林信行,ITmedia]

機械式の絞りと計算によるボケの共存

 メインカメラのレンズは開放時、つまり最も大きく開いた時の明るさがf/1.48だが、光の通る量を調整する6枚の羽根を使う可変絞りが新たに加えられた。自動に加え、手動でf/1.48、f/1.8、f/2.8、f/4.0の4段階の設定が選択可能で、設定を変えると実際に絞りが機械的に動く様子が目でも確認できる。

 個人的にも期待していた機能だが、レビュー時に確認した撮影情報の画面では、レンズの開放値f/1.48は表示されるものの、撮影時に選んだ絞り値を確認できなかった。

 一方、PCでDNGのEXIFを調べると、FNumberには撮影時の絞り値が記録されていた。撮影後に設定を振り返れるよう、表示も改善してほしいところだ。

 ちょっと面白いと感じたのが、こうした光学的な絞りがある一方で、これまでのiPhoneが、ポートレート撮影用として採用してきたデジタル処理によるぼかし効果(被写界深度エフェクト)も残っており、こちらもf値を使ってボケ具合を調整するところは変わっていない点だ。

 つまり、撮影時の光学的な絞り値と、被写界深度エフェクトの調整を示すf値が、別々に存在する。この辺りは時間をかけてもいいので、表示や操作上の区別をもう少し分かりやすく整理してもらってもいいのかもしれない。

 もっとも、光学的な絞りとデジタル処理を組み合わせることで、これまでになかった新しい撮影方法も生まれる可能性もありそうだが、今回は検証時間が短く、それを発見するまでには至らなかった。

 表示や操作には改善の余地を感じるが、スマートフォンのカメラ機能がどんどんAI処理を活用する中で、機械的/光学的な仕組みでもフォトグラフィー(フォト=光とグラフィー=描くからできた言葉)にもう1度正直に向き合っている姿勢は、テクノロジーとリベラルアーツの接点を目指すAppleらしい真摯(しんし)な姿勢であり好感が持てる。

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