IBMの事例から見たBlackBerry導入効果は――ドコモの辻村氏

» 2009年11月26日 21時13分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo BlackBerry Day 2009でBlackBerryソリューションを導入するメリットを説明するNTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏

 携帯端末市場が冷え込む中、堅調な売れ行きを見せているのがスマートフォンだ。Windows Mobile端末、Androidケータイ、BlackBerry、iPhoneなど、さまざまなプラットフォームの端末が登場してユーザーの選択の幅が広がっており、2012年には350万台超の出荷台数になると予想する調査会社もあるなど活況を呈している。

 こうした中、ドコモが法人向け端末として推すのが米国を中心に法人市場での利用が増えているBlackBerryだ。NTTドコモ 代表取締役副社長の辻村清行氏はBlackBerryが法人用途に向いている理由として、重いPCを持ち歩かなくても使える点、企業のグループウェアを使える点、導入が簡易な点、高度なセキュリティが確保されている点を挙げる。

 11月26日、「BlackBerry Day 2009」でドコモの辻村氏が講演を行い、各社の導入事例を紹介しながら法人利用のメリットや業務効率化の具体例について説明した。

Photo ドコモはBlackBerryの法人利用のメリットとして「手のひらオフィス」「企業資産の活用」「簡易な導入」「強固なセキュリティ」の4点を挙げる

600人規模の組織で、300万円/日のコスト削減効果

 辻村氏によれば、日本でBlackBerryを法人用途で導入した企業は約3200社にのぼり、卸売・小売・飲食店から製造、保険・金融、運輸・通信など、幅広い業種に渡って採用されているという。

 導入企業のメリットとして挙げるのは、1つが業務効率化で時間を有効活用できるようになる点、もう1つが働き方の変革に役立つという点だ。「BlackBerryを使うことでどこでもオフィスになる。これが新たなワークスタイルを生み出し、結果的に企業の生産性向上に役立つのではないか」(辻村氏)

 同氏はさまざまな業種の企業がさまざまな使い方をする中で、実際に利用した企業ユーザーがBlackBerryのどこを評価し、実際にどの程度の業務効率化が図られたのかを、日本アイ・ビー・エム(以下、IBM)の導入事例を挙げて説明した。

 IBMのサンプル246人のメールの利用状況を見ると、メールの平均受信件数は100通強/日で、うち4分の1が緊急案件。BlackBerryを使って緊急案件をその場で処理し、ほかのメールについても空き時間に処理することでどの程度の生産性の向上につながったかを尋ねると、約半数が指示や承認の面で2時間から半日の迅速化が図れたという回答が得られたという。

 具体的に、どこで利便性を感じたかについては「空き時間や移動時間にメール対応できる点」がトップで、ほかにも「外出中や出張中にメール対応できる点」が高い評価を得ている。

 IBMの事例を元に、600人規模の組織でどの程度の経済的な効果があるかを試算したところ、「短縮されたメールの処理時間と通数を掛け合わせた数字で、1日あたり300万円超のコストをセーブできるという計算もできる」と辻村氏。組織の効率化についても、BlackBerryを導入して現場への情報伝達をすばやく行えるようにすることで、9時間の短縮を実現したという。

Photo BlackBerry導入によるメール処理の効率化の実例(左)と、社員が便利だと感じたポイント(右)

Photo 効率化をコストと時間で示したところ

用途や規模、ニーズに合わせてソリューションを選べる

 BlackBerry導入の最大の効果は、これまで社内のPCで行っていた企業内メールへの対応を、時間や場所を選ばす行えるようになる点だと、辻村氏は胸を張る。

 重いモバイルPCを持ち運ぶ必要なくメールの案件に対応でき、FOMA網のエリア外でメールが届いた場合でも、圏内に入ると同時にメールが一括でプッシュ送信されるため、大事なメールを逃さずにすむ。紛失時にも遠隔操作で端末内データを消去できるほか、バッテリー残量が残り10%になったらデータを自動消去するという設定も用意される。

 グループウェアを利用する企業については、BlackBerry Enterprise Server(BES)を導入すれば、BlackBerry端末とサーバ間が暗号化され、さらにセキュアな環境下で利用できる。BESにはほかにもデータを圧縮したり常時接続状態をつくったりするなど、法人利用をサポートする機能を実装している。

 ドコモはBlackBerryの導入規模やニーズに合わせて、「ブラックベリー エンタープライズサービス」と「ブラックベリー インターネットサービス」を提供しており、「BESを設置してグループウェアを利用する大企業はエンタープライズサービス、中小企業やプロコンシューマーはクラウド上のアプリを組み合わせて使っていただくなど、おかれている状況やニーズに応じてソリューションを選べる」(辻村氏)点も特長としている。

Photo 「ブラックベリー エンタープライズサービス」と「ブラックベリー インターネットサービス」の違い

 ドコモは今後もスマートフォン市場の拡大に注力する考えで、使いづらいといわれがちなスマートフォンの利用を助けるコールセンター「ドコモ・スマートフォン・ケア」を提供するなどサポート施策を強化。今後はドコモ独自のスマートフォン向けアプリストアを立ち上げるなど、さまざまな施策でスマートフォン市場の拡大を目指すとしている。

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